米 IT活用医療“デジタルヘルス”への投資 コロナで2倍に

米 IT活用医療“デジタルヘルス”への投資 コロナで2倍に
新型コロナウイルスの影響でオンライン診療などIT技術を活用する医療の需要が高まる中、アメリカではことし第1四半期、こうした分野のスタートアップ企業への投資額が去年の同じ時期の2倍に急増したことがわかりました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、医療機関で診察を受ける際の感染リスクを下げるオンライン診療など、IT技術を医療に活用する「デジタルヘルス」と呼ばれる分野の需要が、日本を含め世界的に拡大しています。

デジタルヘルス分野への投資を専門に行う投資会社「ロックヘルス」によりますと、アメリカ国内におけるこの分野のスタートアップ企業への投資額はことしの第1四半期で31億ドル、日本円にしておよそ3300億円となりました。

これは去年の同じ時期のおよそ2倍にあたり、去年1年間の投資額、74億ドルの半分近くに上っています。

特にアメリカでは、政府や保険会社がオンライン診療の費用の一部を負担すると発表したことなどから利用者が大幅に増え、アメリカの調査会社「フロスト・アンド・サリバン」は今月、ことし1年間のオンライン診療などの分野の市場規模の成長率を、当初の予測の2倍近い64.3%へと上方修正しました。

フロスト・アンド・サリバンのグレッグ・カレッシ、シニアバイスプレジデントはNHKのインタビューに対し「オンライン診療は規制緩和が進まないなど課題が多かったが、実際に使う機会が増えたことで長期的にどのように成長していくのか注視していきたい」と述べ、需要がさらに拡大する可能性があるとの見方を示しています。