テレワークなど新しい働き方 企業の8割検討 新型コロナで

テレワークなど新しい働き方 企業の8割検討 新型コロナで
NHKが国内の大手企業にアンケート調査を行い、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて見直しを検討しているものを尋ねたところ、テレワークの活用など新しい生活様式に対応した働き方と答えた企業が8割以上に上りました。
NHKは今月19日から29日にかけて国内の製造業や小売、金融など幅広い業種の大手企業、100社を対象に経済の先行きについての見方など、おおよその傾向を知るためにアンケート調査を行い、95社から回答を得ました。

感染拡大を受けて見直しを検討しているもののうち、特に重視するものを2つ選んでもらったところ、最も多かったのは、「テレワークの活用や出勤者数の削減など新しい生活様式に対応した働き方」で82.1%でした。

次いで、「設備投資など投資を削減」が22.1%、「サプライチェーン・物流網」が15.8%などとなりました。

調査では平日の出勤者数を感染拡大前と比べてどうするか尋ねましたが、「50%以上大幅に削減する」と答えた企業が32.6%、「ある程度削減する」と答えた企業は48.4%でした。一方、「感染拡大前の水準に戻す」と答えた企業は、8.4%でした。

今後、テレワークの活用についてどう考えるか尋ねたところ、「拡大する」が54.7%、「現状を維持する」が17.9%、「縮小する」と答えた企業は10.5%でした。

在宅…増える導入企業 そこに商機あり

企業の間では、政府の緊急事態宣言が全国的に解除されたあとも、在宅勤務やテレワークを積極的に取り入れて働き方を見直す動きが広がっています。

このうち大手日用品メーカーのユニ・チャームは、工場で勤務する社員を除く、およそ2000人の社員を対象に来月1日から原則、週2日を在宅勤務とします。在宅勤務は、企画書の作成や調査など本人だけでできる業務を中心に行い、仕事に集中してもらうため、会社からの電話やメールなどの連絡は控えるということです。

ユニ・チャームの渡辺幸成人事部長は「在宅勤務を通じて、社員みずからが主体的に考えることができるよう働き方を変えていきたい」と話していました。

このように企業の間では、在宅勤務やテレワークを積極的に取り入れて働き方を見直す動きが広がっていて、こうした、企業のニーズに応えようという取り組みも出ています。

松山市の観光名所、道後温泉の宿泊施設では、客数が大きく落ち込み空いた客室を活用した日中専用のプランを今月から新たに導入しました。利用時間は、午前10時から午後6時までで、和室でも仕事がしやすいよう部屋の中に机といすを設けたほか、休憩中にリラックスできるようマッサージチェアも用意されていて、自宅よりもメリハリをつけやすい環境を整えています。

利用した松山市のシステムエンジニアの男性は「家では気が散るがここでは集中できるし、ふだんの職場と違う和室で、道後の町並みも見えるので、心も癒やされます」と話していました。

道後プリンスホテルの河内広志社長は「宿泊客がほぼいない中で少しでも売り上げにつながるのはありがたい。今後も日中に利用できるプランを続けていきたい」と話していました。