箱根 温泉旅館やホテル 来月再開も厳しい経営続く 新型コロナ

箱根 温泉旅館やホテル 来月再開も厳しい経営続く 新型コロナ
休業していた旅館やホテルが緊急事態宣言の解除を受けて営業を再開する動きが広がっています。ただ、感染防止対策を徹底したうえでの営業は、従来と同じようにはサービスを提供できず、当面、厳しい経営を強いられそうです。
神奈川県有数の観光地、箱根町で10の温泉旅館やホテルを運営する会社は、政府が緊急事態宣言を出したあと、すべての施設で2か月近く休業を続けてきました。

休業によって4月と5月の売り上げは合わせて3億円減少しましたが、およそ160人の従業員の雇用を守るため合わせて8500万円の給与を支給してきました。

金融機関から新たな資金を借り入れてしのいできましたが、緊急事態宣言の解除を受けて、来月1日から6つの旅館の営業を再開することを決めました。

再開にあたっては、感染防止対策を徹底することにしていて、客室の清掃の際にドアノブやリモコンなど手が触れる場所を中心に消毒を行うほか、食堂では複数の宿泊客がサーバーに触れるのを避けるため、飲み放題のセルフサービスを取りやめ、従業員が注ぐ対応に切り替えるということです。

さらに、不特定多数の人が密集するおそれがある大浴場の使用を中止し、専用の露天風呂が付いている部屋のみ、宿泊客を受け入れることにしました。

ただ、全体の4割を占める露天風呂のない部屋は使用しないうえ、大浴場が利用できないことを踏まえて、料金を通常より2割ほど安く設定しているため、当面は、利益を出すのが難しい厳しい経営が続くと予想しています。

「一の湯」の小川尊也社長は「お客様も従業員もいない真っ暗な施設で、寂しい思いをしたが、またこの旅館をお客様でいっぱいにしたい。限られたサービスの中でどうやって生き残っていくか、すべを考えていかなければならない」と話していました。