伊豆諸島や小笠原諸島の全町村 週末に観光での来島の自粛要請

伊豆諸島や小笠原諸島の全町村 週末に観光での来島の自粛要請
東京にも出されていた、国の緊急事態宣言が解除されてから初めての週末を30日、迎えますが、伊豆諸島や小笠原諸島にあるすべての町や村は、新型コロナウイルスの感染拡大が完全に収束したわけではないなどとして、観光目的での来島を自粛するよう要請しています。
伊豆諸島と小笠原諸島にある東京の合わせて9つの町と村は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、不要不急の来島を自粛するよう要請してきました。

東京にも出されていた国の緊急事態宣言が解除されてから、初めての週末を30日迎えますが、これらの自治体は観光目的の来島を自粛するよう引き続き要請しています。

また島民に対しても、通院などの特別な理由を除き、できるかぎり本土への移動を自粛するよう呼びかけています。

東京都によりますと、28日までにこれらの自治体で新型コロナウイルスへの感染が確認された人は1人ですが、主要産業の一つである観光を目的とした来島の自粛を、この週末も要請する理由について各自治体は、新型コロナウイルスの感染拡大が完全に収束したわけではないことや、島内の医療体制にかぎりがあることなどをあげています。

今後については、週明けの来月1日から自粛要請を緩和するという自治体がある一方で、来月いっぱいは自粛要請を継続するとする自治体もあり、対応がわかれています。

みやげ物店やつばき園など休業続く

このうち伊豆諸島の大島町では、フェリー乗り場のみやげ物店などで休業が続いています。

また、観光スポットになっている都立大島公園にあるつばき園や動物園なども当面、休業するということです。

町によりますと、ことし3月に島を訪れた人は、去年の同じ時期と比べて55%、4月は86%、それぞれ減少しました。

5月も大幅に落ち込む見通しだということで、大島町の三辻利弘町長はNHKの取材に対し「来島者が増えると感染リスクも高まってしまう。一方で、主要産業の一つである観光を目的とした来島の自粛要請を続ければ島の経済への影響が大きく、その間のジレンマに陥っている」と苦しい胸の内を明かしました。

町は、来月中旬以降に自粛要請を解除できないか判断する方針ですが、三辻町長は「自粛要請を解除しても観光客がすぐに増えるとは思えない。学校の休校に伴って夏休みが短縮されるケースが増えるため、例年、家族連れでの来島が増える7月や8月の影響も懸念している」と述べました。