北九州市長「第2波の真っただ中にいる」 新型コロナウイルス

北九州市長「第2波の真っただ中にいる」 新型コロナウイルス
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北九州市の北橋市長は、市内で新型コロナウイルスの感染確認が急増している状況について「第2波の真っただ中にいると認識している」と述べたうえで、調査を徹底し、封じ込めに全力を尽くす考えを示しました。
北九州市では28日まで6日間連続で、合わせて43人の感染が確認されていて、市は2つの病院では集団感染が発生したとしています。

また、43人の半数近い21人の感染経路が分かっていません。

こうした状況を受けて、北九州市は29日午前、緊急の対策会議を開き、今後の対応を協議しました。

この中で、北橋市長は「今の状況をひと言で言うならば第2波の真っただ中にいると認識している」と述べました。

そのうえで「クラスターなどによる急激な陽性患者の増加に対応していくために感染者の行動歴、濃厚接触者、関係施設を徹底的に調査していく。濃厚接触者全員にPCR検査をお願いして封じ込めのために全力を尽くす」と述べ、調査を徹底し、封じ込めに全力を尽くす考えを示しました。

宣言解除後再開 市の屋内施設 31日から再び臨時休館

北九州市の北橋市長は午後2時から記者会見し、緊急事態宣言の解除後に再開していた市の屋内施設すべてを31日から再び臨時休館にすると発表しました。また、民間のイベントについては事業者に中止または延期を要請するとしています。

この中で、北九州市の北橋市長は、市内で28日まで6日連続で新型コロナウイルスの感染者が確認されていることを受けて、緊急事態宣言の解除後に順次、再開されていた市立美術館本館や博物館、それに図書館など合わせて119の市の屋内施設について、31日から来月18日まで臨時休館にすると発表しました。

再開の時期については、市内の感染状況などを踏まえて前倒しも含めて検討するということです。

市は、今回の感染急増を受けて、すでに小倉城など合わせて43の施設を臨時休館にしていて、休館する市の施設は合わせて162になります。

また、北橋市長は、民間のイベントについては事業者に中止または延期を要請すると発表しました。

さらに北九州市は、来月1日から給食を提供して通常どおり授業を行う予定だった市立の小中学校などについては、当分の間、午前中のみ授業を行うとしています。

北橋市長は「何としても第2波のウイルスとの戦いに勝ち抜かねばならない。短期決戦で決着をつけたい。皆さんと大切な人を守るためにご協力をお願いする」と述べました。

23日以降の感染者数

北九州市内では先週金曜日まで23日連続で感染が確認されていませんでした。

しかし、
▽23日に3人の感染が確認されてから
▽24日に3人
▽25日に6人
▽26日に2人
▽27日に8人
▽28日に21人と6日連続で合わせて43人の感染が確認されました。

このうち、半数近くの21人の感染経路がわかっていません。

また、地域別にみてみますと、23日以降に感染が確認された人は北九州市内の7つの区のうち6つの区に及んでいて
▽小倉南区で9人
▽門司区と八幡西区でそれぞれ5人
▽小倉北区で3人
▽若松区で2人
▽戸畑区で1人となっています。

このほか、北九州市内の医療機関に転院したり通院したりして、北九州市が行ったPCR検査で、確認された人が
▽行橋市で3人
▽中間市と直方市でそれぞれ1人となっています。

残りの13人については市が現在、確認を進めています。

福岡県小川知事「北九州市への移動は慎重に」

北九州市では28日、小学生と中学生を含む10代から80代までの男女、合わせて21人の感染が確認され、北九州市での感染確認は6日連続となりました。

これを受けて、福岡県の小川知事は29日の記者会見で「非常に驚き、強い危機感を持っている。第2波を何としても防がないといけない」と述べました。

そのうえで「出かける先がどういう状況にあるか慎重に行動してほしい」と述べ、県民に対し北九州市への移動は慎重に検討するよう呼びかけました。

また、小川知事は、31日を期限としている接待を伴う飲食店などへの休業要請の取り扱いについて、29日の北九州市での感染確認の状況などを踏まえ、専門家や北九州市などの意見も踏まえて、できるだけ早く判断したいという考えを示しました。

西村経済再生相「休業要請などの対応を協議」

西村経済再生担当大臣は記者会見で「現在、厚生労働省のクラスター対策班が現地で調査を行っている。昨晩とけさ、福岡県の小川知事と電話で話し、休業要請などの相談を受け、対応を協議している」と述べました。

また、西村大臣は29日午後開かれる政府の専門家会議で、北九州市などの感染状況を報告するとしたうえで「今後、小さな波の発生があり得ることを頭に置きながら、検査体制の強化や医療提供体制などを議論し、提言をいただく予定だ」と述べました。

そして「感染がゼロになることはなく、小さな流行をクラスター対策でしっかりと封じ込め、大きな流行にしない努力が必要だ。感染リスクはどこにでもあり、マスクをしたり、人と人との距離をとるなどの感染防止策を継続してもらいたい」と呼びかけました。

2つの病院の対応は

新型コロナウイルスの感染者の集団、「クラスター」の発生が確認された北九州市内の2つの病院では、救急患者の受け入れを停止するなどの対応を取っています。

このうち、門司区にある門司メディカルセンターでは、医療スタッフと入院患者、合わせて10人の感染が28日までに確認されました。

これを受けて病院では、新規の外来診療や救急患者などの受け入れを原則として停止しています。

病院の入り口などには、診療体制について知らせる紙が貼られています。

また、小倉北区にある北九州総合病院では、入院患者と医療スタッフの合わせて5人の感染が28日までに確認されました。

これを受けてこの病院では、救急患者の受け入れを原則として停止しました。

一方、必要最小限の一般外来や入院診療は継続するとしています。

北九州総合病院の永田直幹院長「ご利用の患者様ならびに関係医療機関の皆様には不安をいだかせてしまいましたことに対して、心よりおわび申し上げます。救急医療ならびに通常診療の早期再開に向けて努めてまいります」とコメントしています。

生徒感染の中学校で消毒作業

28日、生徒と児童が新型コロナウイルスに感染していることが確認された北九州市内の小中学校で29日、消毒作業が行われました。

このうち北九州市小倉南区の守恒小学校では、28日、この学校に通う児童1人の感染が確認されました。

これを受けて市の教育委員会は、学校を臨時休校にして閉鎖し、委託を受けた業者が教室や職員室の机や床などを対象に、校舎内の消毒作業を行いました。

また28日、生徒1人の感染が確認された小倉南区の企救中学校でも、29日午前中に消毒作業が行われました。

市の教育委員会によりますと、この2つの学校について授業を再開する時期は現時点で決まっておらず、当分の間は児童や生徒の家庭に学習のための課題を郵送することにしています。