中国 李首相 経済成長率 プラス成長確保の見通し示す

中国 李首相 経済成長率 プラス成長確保の見通し示す
中国の李克強首相は、全人代=全国人民代表大会の閉幕後に記者会見し、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた経済について、全人代で例年打ち出している経済成長率の目標は示さなかったものの、年間ではプラス成長を確保できるという見通しを示しました。
この中で、李首相はことしの全人代で経済成長率の目標を打ち出さなかったことについて、「多くの国際機関がことしの世界経済の成長をマイナス3%と見込んでいる。中国経済は、世界経済と切り離すことはできず、そうした事実に基づいた結果だ」と説明しました。

そのうえで、「経済成長が重要でないわけではない。ことしもプラス成長を実現できるだろう」と述べ、ことし1月から3月までのGDPの伸び率はマイナス6.8%と落ち込んでいるものの、年間ではプラスを確保できるという見通しを示しました。

さらに李首相は「状況が大きく変化した場合、財政や金融などの新たな政策をちゅうちょなく実行する」と述べ、景気がさらに落ち込む可能性が出た場合は、追加の対策に踏み切る考えを示しました。

一方、アメリカとの対立が「新冷戦」とも呼ばれ、両国のつながりを切り離すいわゆる「デカップリング」も懸念されていることについて、「そもそも冷戦という考えは持っていない。経済分野での『デカップリング』を進めても、誰も得をしないだけではなく、世界に損害をもたらすだろう」と述べ、アメリカ側に関係の改善を促しました。

また、日本と中国、韓国の3か国が交渉しているFTA=自由貿易協定について、李首相は「積極的に進める」と述べ、前向きな姿勢を示しました。