「医療機関ねらったサイバー攻撃急増」 国連事務総長 コロナ

「医療機関ねらったサイバー攻撃急増」 国連事務総長 コロナ
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国連のグテーレス事務総長は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、医療機関をねらったサイバー攻撃が急増しているとして、安全保障理事会に対応を求めました。
国連のグテーレス事務総長は27日、安保理で開かれたテレビ会議形式の公開討論で、「市民生活に不可欠な施設への悪質なサイバー攻撃に対処しなければならない。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、いくつかの国で医療施設に対する攻撃が増加しているという報告がある」と指摘しました。

そのうえで「市民に危害を及ぼす新しい形態の攻撃を防ぐために、さらなる努力をしなければならない」と述べ、安保理に対応を求めました。

医療機関をねらったサイバー攻撃をめぐっては、ICRC=赤十字国際委員会が25日、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、チェコやフランス、スペイン、アメリカなどの欧米諸国とアジアのタイで起きているとして、医療機関の機能が損なわれて患者の生命が脅かされるおそれがあるとする声明を発表しています。

国連では、医療機関のシステムの機能を停止させるコンピューターウイルスを仕掛け、これを解除する代わりに多額の金品を要求したり、新型コロナウイルスに関する研究機関のシステムに侵入して情報を盗もうとしたりする手口が想定されるとして、サイバーセキュリティーを高めるために国際協力が必要だと訴えています。