農林中金保有の「CLO」 価値が4000億円目減り 新型コロナ影響

農林中金保有の「CLO」 価値が4000億円目減り 新型コロナ影響
信用力が低い企業向けのローンを集めて作られリスクも指摘されてきた「CLO」という欧米の金融商品を大量に保有している農林中央金庫は、新型コロナウイルスによる金融市場の混乱で価値が4000億円程度、目減りしたことを明らかにしました。
CLOは信用力が低い企業向けのローンを集めて作るためリスクがある分、利回りが高く、低金利が続く中で日本のおもな金融機関が投資してきました。

なかでも農林中央金庫は世界有数の買い手とされ、ことし3月期の決算によりますと3月末の投資残高は7兆7000億円に上っています。

ただ、新型コロナウイルスによる金融市場の混乱でCLOの値下がりが相次いただため、およそ4000億円、率にして5%程度、価値が目減りしたとということです。

農林中金は、CLOは途中で売却せず満期まで保有するため直ちに損失にはならないと説明しています。

奥和登理事長は会見で「保有しているCLOは最も高い格付けのAAAで、損失は出にくいと考えているが、リスク管理は徹底する」と述べました。

一方で、運用目的で持っている株式や債券などの価値はことし3月末時点で買ったときよりも2兆3000億円ほど上がり、グループ全体の決算も920億円の黒字となりました。