富山「おわら風の盆」ことしは中止 新型コロナ影響

富山「おわら風の盆」ことしは中止 新型コロナ影響
哀調を帯びた楽器の音色に合わせて、編みがさ姿の男女が夜の街を踊り歩く富山市の伝統行事「おわら風の盆」は、新型コロナウイルスの収束の見通しがつかないとして、ことしは中止されることになりました。
300年余り前から富山市八尾町に伝わるとされる「おわら風の盆」は、胡弓(こきゅう)や三味線の音色に合わせて、編みがさ姿の男女が夜の街を踊り歩く「町流し」で知られ、例年、観光客など20万人前後が訪れています。

いつもは9月1日から3日間の日程で行われていますが、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、地元の保存会などの関係者が開催するかどうかを話し合う会議を開きました。

会議は非公開で行われ、感染が収束する見通しが立っていないことや、多くの観光客が訪れると感染リスクが高まることなどから、ことしの開催を断念することを決めたということです。

「おわら風の盆行事運営委員会」の金厚有豊会長は「誰のせいでもなく残念至極です。ことしは観光客に来てもらっては困るので、個人的に町流しなどを行うのも自粛してもらいたい。新型コロナウイルスを来年に持ち越さないよう願うばかりです」と話していました。

「おわら風の盆」が中止されるのは、終戦の昭和20年以来だということです。