都立高校など早ければ6月末から全面再開で調整 都教育委員会

都立高校など早ければ6月末から全面再開で調整 都教育委員会
東京都教育委員会は、来月1日から再開することにしている都立高校などについて、登校日を徐々に増やすなどして準備を進め、早ければ来月末から全面的な再開を目指す方向で調整していることが分かりました。
新型コロナウイルスの影響でことし3月2日から休校となっている都立の高校、中高一貫教育校、特別支援学校は、来月1日から再開されますが、当面は、登校日を限定する分散登校などが行われます。

都の教育委員会は、こうした取り組みを行ったうえで、感染拡大が抑えられていることを前提に、早ければ来月末から全面的な再開を目指す方向で調整していることが分かりました。

今週中は、登校日を設けて、児童、生徒の長期に及んだ休校の影響による心や体の健康状態を把握するとともに、休校中の学習状況の確認などを行います。

そして、都立の高校と中高一貫教育校は、来月はじめに週1日から3日程度の登校日を設けて、2週間程度を目安に段階的に登校日などを増やしていくことにしています。

都の教育委員会としては、感染の状況を確認しながら慎重に全面再開を目指すことにしていて、分散登校の進め方や感染防止対策などについて盛り込んだガイドラインを今週中に各学校に周知することにしています。

27日が登校日の学校では

都立学校の再開を前に、一部の学校では、27日、登校日として、生徒たちに学校生活を送るうえでの注意点や今後の授業の進め方などを説明しました。

このうち、台東区にある中高一貫教育校の白鴎高校と附属中学校は27日、中学3年生と高校3年生の登校日でした。

校内で感染拡大を防ぐため、事前に決められたルールがあります。
その1つが体温を報告することで、生徒たちは校舎に入ると、まず、生徒手帳に記入した27日朝の体温を教員に見せました。

体温を見せたあとは、手の消毒も行います。

また、27日は登校する生徒を午前と午後に分けて、一度に教室に入る生徒を半分程度にしました。

教室では、飛まつを防ぐため教員がフェイスシールドをつけます。

生徒たちは、見慣れない姿の教員から人との間隔を空けるなど、学校生活を送るうえでの注意点などについて説明を受けました。

この学校では、当面は教室での授業と自宅でのオンライン授業を並行して行うほか、校内では生徒どうしの距離を保つために手洗い場に立つ位置を示す印をつけるなど、感染防止対策を図りながら全面再開に向けた準備を進めることにしています。

大学受験を控えている高校3年生の男子生徒は「クラス全員が登校できているわけではないので、ふだんの学校生活に戻った実感はあまりないですが、久しぶりに友達と話して楽しかったです。受験があるので不安ですが、残りの学校生活のなかで、自分ができることをやっていきたい」と話していました。

また、善本久子校長は「元気な生徒たちの姿を見ることができてほっとしました。しばらくは感染防止対策を図りながら分散登校を行うことになるが、学びを遅らせないように環境整備を進めたいです」と話していました。

再開準備に追われる都内の小学校は

都内の多くの小中学校は、来月からの学校再開を前に、新型コロナウイルスの感染防止対策をとりながら子どもたちを受け入れる準備に追われています。

このうち、豊島区の区立目白小学校では児童が登校してきたときに、1人ずつ検温する方針で、検温の時に児童が密集しないよう、距離を取って並べるように場所を示すテープがはられています。

学校では、体調のすぐれない児童がいた場合には、あらかじめ設置するテントの下で休んでもらい、ほかの児童とは別の入り口から保健室に移動させてカーテンで区切った場所で手当てすることにしています。

また教室では、感染防止のため、児童どうしの距離を1メートル以上あけるように机を配置していて、これにより、一部の児童の机は廊下にはみ出す形になるということです。

このほか、手洗いする場所は学年ごとに決め、不特定多数の接触を減らすということです。

さらに、トイレの前にも子どもたちが間隔をあけて並ぶよう、足元に目印をつけ、便器のふたを閉じて水を流すよう呼びかける貼り紙も掲げています。

西村浩校長は「子どもたちは学校の再開を楽しみにする一方、感染への不安や長期休校による影響も大きいと思う。子どもたちに寄り添いながら教育環境の整備や心のケアに当たりたい」と話していました。