プーチン大統領 戦勝記念の軍事パレード 6月実施で準備指示

プーチン大統領 戦勝記念の軍事パレード 6月実施で準備指示
ロシアのプーチン大統領は新型コロナウイルスの感染のピークは過ぎたとして、延期されていた第2次世界大戦の戦勝75年を記念する軍事パレードを6月下旬に行うことを明らかにしました。プーチン大統領としては、国民の愛国心が最も高まる行事を滞りなく行うことでみずからの求心力を高めたいねらいもあるとみられます。
ロシアのプーチン大統領は26日、ショイグ国防相とテレビ会議を行い、新型コロナウイルスの感染状況について「ピークは過ぎたとみられる」と指摘しました。

そのうえで感染の拡大で延期されていた第2次世界大戦の戦勝75年を記念する軍事パレードをモスクワなどで来月24日に行うよう準備を指示しました。

このパレードは、ナチス・ドイツに勝利したことを記念して毎年5月9日に行われている行事で、1年の中で国民の愛国心が最も高まるとされています。

一方、プーチン大統領は、みずからの国家理念や歴史認識を反映させた憲法の大幅な改正を進めていますが、改正の是非を問う国民投票も4月から延期されていて来月以降行われるという見方が出ています。

プーチン大統領としては感染拡大による経済の落ち込みや外出規制で国民の不満が募る中、愛国的な行事を滞りなく行うことで求心力を高め、国民投票で幅広い支持を集めたいねらいもあるとみられます。

ロシア 感染者減少も死者は増加

ロシアでは感染者数は減少に転じているものの、26日には1日の死者数が最も多い174人にのぼるなど予断を許さない厳しい状況が続いています。

ロシでは24時間以内に確認される新たな感染者の数は今月11日の1万1600人をピークに減少に転じ、26日には8900人と、2割以上減っています。

これを受けて来月1日からは夏の観光シーズンに向けて国内の観光施設や宿泊施設で段階的に規制が解除されるほか、首都モスクワでも外出制限措置が一部緩和される見通しです。

しかし、これまでに感染者数はアメリカ、ブラジルに次ぐ36万人を超え、最近では地方都市にも感染が拡大し、26日には1日の死者数が最も多い174人にのぼるなど、予断を許さない厳しい状況が続いています。