日EU首脳 テレビ会議 新型コロナ治療薬普及に枠組み議論へ

日EU首脳 テレビ会議 新型コロナ治療薬普及に枠組み議論へ
新型コロナウイルスをめぐり、安倍総理大臣はEU=ヨーロッパ連合の首脳とテレビ会議を行いました。治療薬やワクチンを各国に普及させる枠組みの創設に向けた議論を進めることを確認する一方、WHO=世界保健機関の対応には検証が必要だという認識で一致しました。
テレビ会議は26日午後6時ごろから行われ、EU側からはミシェル大統領とフォンデアライエン委員長が参加し、新型コロナウイルスへの対応では途上国への支援が重要だという認識で一致しました。

また、安倍総理大臣が治療薬やワクチンを途上国を含めたすべての国に普及させるため、特許を管理する国際的な枠組みの創設を提案し、日本とEUで議論を進めていくことを確認しました。

さらに経済対策について、安倍総理大臣は「世界経済はリーマンショックとは比較にならない危機に直面しているが、社会変革を促す機会でもある」と述べ、次世代通信規格などのデジタル分野やサプライチェーンの構築でEUとの連携を強化したいという考えを伝えました。

一方、WHOの対応について安倍総理大臣が「公平、独立かつ包括的な検証が必要で、WHOを含む関係機関の改革や効率化の実現が喫緊の課題だ」と指摘し、ミシェル大統領も同様の認識を示しました。

また、感染拡大をめぐり両首脳は事実に基づいた情報の重要性を確認し、フェイクニュースなどに対して法の支配などの基本的な原則に基づいて対応していくことで一致しました。

一方、竹本科学技術担当大臣もEUで科学技術分野を担当するガブリエル委員とテレビ会議を行い、治療薬やワクチンの開発が重要だとして研究データの共有など協力の強化で一致しました。

ミシェル大統領「経済回復のけん引役は自由貿易」

EUのミシェル大統領は会議後の記者会見で「日本との関係は強固なもので新型コロナウイルス対策などの世界的な課題について一層協力していく」と述べました。そのうえで、「経済の回復のためには自由貿易が強力なけん引役となる」と述べて、日本との貿易のさらなる拡大に期待を示しました。

日本とEUの間では去年、EPA=経済連携協定が発効し、EUによりますと去年の貿易額はおととしに比べて5.8%増加しています。

新型コロナウイルスの感染拡大による影響でユーロ圏のことし1年のGDP=域内総生産は最大で12%減少する可能性があると見込まれるなど、深刻な景気の悪化が懸念される中、EUとしては貿易の活性化もテコに経済の回復を進めたい考えです。