日本医師会長 患者数は低く抑えられ評価も検査体制に問題

日本医師会長 患者数は低く抑えられ評価も検査体制に問題
緊急事態宣言の解除を受けて、日本医師会の横倉会長が記者会見し「患者数などを低く抑えられていて世界的にも珍しい」と評価したうえで、検査体制などには問題があったという認識を示しました。
この中で横倉会長は「諸外国に比べて患者数や死亡者数を大幅に低く抑えることができており、世界的にも珍しい事例だ。背景には日本人の清潔さや律儀さなどの社会的要因と、高い医療水準、国民皆保険制度などの要因が考えられる」と述べました。

一方、この間の課題について「医師が必要と認めてもPCR検査ができなかったり入院体制が十分に把握できなかった。SARSやMERSの経験がある韓国や台湾に比べると日本は準備が遅れた」と指摘しました。

そのうえで「第2波・第3波に備えて、医療現場や政府などの役割を国で早急に議論しておくことが必要だ」と述べました。

さらに横倉会長は、政府が治療薬の候補「アビガン」の今月中の承認を見送ったことについて、「現在でも医師が必要と判断した患者には使用できる状況にあるので、薬事承認は国際的に定められたルールにのっとって、手順をきちんと踏むべきだ」と述べました。