台湾 マスクは“戦略物資” 来月から輸出再開へ

台湾 マスクは“戦略物資” 来月から輸出再開へ
台湾は新型コロナウイルス対策で禁止してきたマスクの輸出を来月から再開すると発表しました。台湾としてはマスクを戦略物資と位置づけ、国際的な存在感を高めるねらいもあるとみられます。
台湾当局でマスクの生産を管理する経済部は26日、民間の業者によるマスクの海外への販売と輸出を来月から認めると発表しました。

台湾はことし1月、新型コロナウイルス対策としてマスクの輸出を禁止し、当局がマスクをすべて買い取って1人当たりの割り当てを決め販売を厳しく管理するとともに、当局主導で増産を図ってきました。

この結果、台湾ではマスクの生産能力が当初の10倍以上の1日2000万枚に達していて、今後は当局が買い取る量をこのうちの800万枚に減らし、それ以外は業者による販売や輸出を認めるということです。

台湾では、海外からの渡航者を除いて新たな感染は40日以上確認されておらず、マスクを購入する人の数が減る一方で、マスクの生産業者には日本をはじめアジアや欧米の国々からの問い合わせが相次いでいるということです。

蔡英文総統は、今月20日の演説でマスクを戦略物資と位置づけて海外の市場を開拓する方針を示していて、需要が高い各国にマスクを供給することで存在感を高めるねらいもあるとみられます。