WHO マラリア治療薬の臨床試験中断 コロナ効果指摘も心拍異常

WHO マラリア治療薬の臨床試験中断 コロナ効果指摘も心拍異常
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WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、新型コロナウイルスの治療への効果の可能性が指摘されてきたマラリアなどの治療薬「ヒドロキシクロロキン」について、アメリカなどの研究グループが、投与された患者の一部に心拍の異常が見られたとする研究結果を発表したことを受けて、WHOが行ってきた臨床試験を一時的に中断したことを明らかにしました。
アメリカやスイスの研究グループは22日、新型コロナウイルスの治療への効果の可能性が指摘されてきたマラリアなどの治療薬「クロロキン」や、その一種の「ヒドロキシクロロキン」について、およそ9万6000人分のデータの分析から「効果は認められなかった」としたうえで、投与された患者の一部に心拍の異常が見られたとする研究結果を発表しました。
これを受けてWHOのテドロス事務局長は25日、定例の記者会見で「WHOが行ってきたヒドロキシクロロキンの臨床試験を一時的に中断した」と述べ、今後、安全性に関するあらゆるデータを調査することを明らかにしました。

一方で「ヒドロキシクロロキン」は、自己免疫疾患のある人やマラリアの治療には一般的に安全だとしています。

WHOはこのほか、レムデシビルや、エイズの発症を抑える「ロピナビル」と「リトナビル」を組み合わせた薬などの臨床試験を行っていますが、これらは試験を続けるとしています。