緊急事態宣言解除 衆参の議院運営委員会で各党が質疑

緊急事態宣言解除 衆参の議院運営委員会で各党が質疑
全国の緊急事態宣言の解除を前に、国会では衆参両院の議院運営委員会で、各党の質疑が行われました。
自民党の武部新氏は、「解除宣言を受けて、引き続き、感染防止を行いながら、社会経済活動の再起動を進めていくことが重要だ。どのような行動を国民にお願いするのか」と質問しました。

これに対し、西村経済再生担当大臣は、「『3つの密』の防止に加え、事業者にはアクリル板の活用や席と席の間を離すなど、感染防止策をとりながら、活動を拡大してもらいたい。元に戻すのではなく、テレワークやキャッシュレス化などで感染リスクを下げながら、質の高い成長と、誰1人取り残すことのない包摂的な社会をつくり上げたい」と述べました。

立憲民主党の手塚仁雄氏は、休業の要請が続くライブハウスやスポーツジムなど4つの業種について、「今後の見通しが全くつかず政府として対応が必要だ」とただしました。

これに対し、西村大臣は、「カラオケとスポーツジムは、今月中にガイドラインができれば、来月から休業要請を解除していく。ライブハウスは、業界団体と専門家によるさらなる検討の場を設け、一定の感染防止策が確保されれば、来月の中下旬ごろから休業要請を解除していく」と述べました。

国民民主党の谷田川元氏は、「医療体制と感染動向のモニタリング強化が必要だ。第1次補正予算で計上された交付金だけでは足りず第2次補正予算案で大規模に計上することが必要だ」とただしました。

これに対し、西村大臣は、「医療提供体制をしっかり確保することは大事な視点だ。政府は、今月21日時点で、3万1000床を確保しているところだが、いざというときに備えて、こうした対応の強化は大事だ。第2次補正予算案では全額国費とするとともに、大幅な積み増しを考えているところだ」と述べました。

公明党の平木大作氏は、政府が導入を予定している濃厚接触者を把握するためのスマートフォン向けのアプリについて、「通知を受けた人がPCR検査を受けられるようにすることが何よりも重要だ」と指摘しました。

これに対し、西村大臣は、「個人情報をしっかり保護しようと思っており、電話番号や位置情報を取らないし、陽性になったかどうかも誰にも伝えない。そして、PCR検査をスムーズに受けることは何より大事なことなので、そういう体制を整えていきながら、より多くの人に、導入していただきたい」と述べました。

日本維新の会の石井章氏は、「新型コロナウイルスのワクチン開発について、中国では破格の予算を充当するということだが、わが国は、どのように考えているか」と質問しました。

これに対し、西村大臣は、「短期間に大量に生産できるワクチンなど、国内でもさまざまな機関が開発を急いでいるところだ。第1次補正予算で100億円の予算を確保しているが、第2次補正予算案でも、日本全体でワクチンの開発・生産を進めていくために必要な予算を確保していきたい」と述べました。

共産党の倉林明子氏は、「第2波に備えた体制をいかにつくるかが求められているが、PCR検査の可能件数は増加している一方、検査実施件数は増えていない。実施件数をどこまで増やそうと考えているのか」とただしました。

これに対し、西村大臣は、「実施目標をつくるというのは患者を増やせということになるので、そういうことは考えていない。いざ患者が増えてきた時に確実に検査を受けられるよう、当初予算と補正予算、合わせて72億円の予算も活用し、必要であれば、さらに拡充して体制を整えていきたい」と述べました。