出版物売り上げ コロナ影響で明暗 自宅で過ごす人向けは伸び

出版物売り上げ コロナ影響で明暗 自宅で過ごす人向けは伸び
先月の出版物の売り上げは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って教養書や実用書が落ち込んだ一方で、自宅で過ごす人向けの学習参考書やコミックスが伸び、ジャンルによって明暗が分かれました。
出版科学研究所のまとめによりますと、先月、国内で出版された書籍と雑誌の販売金額は、推計で、前の年の同じ月より130億円ほど少ない、およそ978億6000万円となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、多くの書店が休業となったことが影響しているとみられ、ビジネスパーソンなどが在宅勤務で本を買う機会が減ったことによって、「教養書」や「実用書」の売り上げが大きく落ち込んだということです。

一方、学校が臨時休校となり、子どもたちが自宅で過ごす時間が長くなったことで、「学習参考書」は前の年の同じ月と比べて20%ほど売り上げを伸ばしました。

また、「コミックス」も自宅で過ごす人たちの需要が高まったことなどから、前の年の同じ月より11%ほど増加しました。

出版科学研究所は「休業していた書店がいつ営業を再開するかなど、今後の見通しが不透明で、販売金額が元に戻るのはしばらく時間がかかるだろう」としています。