緊急事態宣言解除の見通しに「うれしいがまだ不安」

緊急事態宣言解除の見通しに「うれしいがまだ不安」
緊急事態宣言が25日すべて解除される見通しとなったことについて、東京 渋谷では自粛生活の終わりや経済活動の再開に期待する声が聞かれた一方で、「まだ不安だ」という意見も多く聞かれました。

東京 渋谷では

このうち、孫に荷物を渡すため1週間ぶりに外出したという東京 東村山市の74歳の女性は「本当にうれしいです。解除後は1人でもいいのでカラオケへ行ってストレスを発散したいと考えていますし、九州に住んでいる子どもに会える日も楽しみにしています」と話していました。

また、近くでスナックを経営している70歳の女性は「早く終息してほしいです。2か月閉めている店を来月1日から開けられたらいいなと思っていますが、解除後も状況は厳しく、今までどおりにはいかないと覚悟しています」と話していました。

一方、仕事で訪れていた22歳の会社員の男性は「ワクチンが開発されるまでは安心できません。解除されるといっても、まだまだ気を緩めることはできないと考えています」と話していました。

また、近くに住む45歳の女性は「自粛生活には疲れてきていますが、きのう東京都で14人の感染者が確認されたのに、その翌日に解除しても大丈夫なのか心配です。勤務しているスーパーマーケットでは、マスクをしていない客や間隔をあけていない客も多く、新しい生活様式が守られるようになるまでは、難しい状況が続くと考えています」と話していました。

横浜 横浜中華街では

先月から休業していた飲食店で客足の回復を期待する声が聞かれました。

横浜市の横浜中華街では感染拡大防止のために多くの店が休業を続けていて、このうち60年余り営業を続ける中国料理店は、先月9日から休業を続けてきましたが、今週末、営業を再開することを決めました。

25日は、従業員が店先に掲示している「当面の間、臨時休館」などと書かれた貼り紙を今月30日からの営業再開を知らせるものと交換していました。

この店では、再開した際には席数を通常の半数程度に減らしたり、入り口で客の検温を行ったりする感染防止策をとるということです。

「重慶飯店」の松本高和さんは「例年、この時期は夜も多くの人でにぎわうが、今はとても寂しい状況でこの先どうなるのかと不安だった。長かったがやっと働けることが本当にうれしい。衛生面に気をつけてお客さんにも喜んでいただけるようにお迎えしたい」と話していました。

札幌市民は

首都圏の1都3県と北海道の緊急事態宣言が25日、解除される見通しとなっていることについて、札幌市では「解除は早いのではないか」という声が目立ちました。

このうち医療関係の仕事をしているという40代の女性は「新型コロナウイルスの患者向けの病床を確保しているために、ほかの患者を十分に診られないなど、現場では影響が続いています。解除したらまた患者が増えると思うので、まだ早いと思います」と懸念を示しました。

30代の女性は「まだ感染者数の目安を下回っていないので大丈夫なのか不安ですし、全体的に気が緩まないか心配です。ワクチンや特効薬ができたわけでもないので、解除されたとしても自分は外出を控えます」と話していました。

60代の男性は「まだ解除は早いと思いますし、特に学校が心配です。ただ、これ以上継続すると経済の回復にものすごく時間がかかると思うので、判断には難しい面もあると思います」と話していました。

30代の男性は「きのうまた感染者数が増えたので、もうちょっと感染者が減ってから解除したほうがよいと思います。解除されたとしても引き続き感染のリスクはあるので、今後もマスクの着用や手洗いを徹底して生活していきます」と話していました。

東京 上野では

東京国立博物館など博物館や美術館が集まる東京 上野では、施設の再開に期待する声がある一方で、人出が増えることに不安の声も聞かれました。

都内では緊急事態宣言が解除されたあと、博物館や美術館などが、最初の段階で休業要請が緩和される対象になっています。

博物館のボランティアをしているという76歳の女性は「とてもうれしいです。お客さんが誰もいなくなっていて寂しい思いをしていました。また子どもたちをつれて博物館を見学できることも多くなると思います」と話していました。

また、近所に住む50代の女性は「ほっとしますね。我慢のしどころという時期が続いていたので、少しずつ日常が戻ってくるのかなと思います。歩いて行ける距離なのでいろいろと催しものを調べて博物館に行きたいと思います」と話していました。

一方、78歳の男性は「期待と不安と半々です。まだしっかりと収束はしていないのではないかと思います。博物館や美術館に人が多く来るようになると上野の繁華街も人が多くなるので、感染の拡大が心配です」と多くの人が集まることに懸念を示していました。

3人の子どもを連れて公園で遊んでいた37歳の女性も「解除になることにほっとしている反面、やっぱり美術館などは室内なので、再開されても子どもたちとすぐに行くのはまだ怖いかなと思います。人出が増えるのも少し心配な面があります」と複雑な心境を話していました。