夕張メロンも“コロナショック”か 初競り最高値 去年比大幅安

夕張メロンも“コロナショック”か 初競り最高値 去年比大幅安
北海道夕張市特産の「夕張メロン」のことし初めての競りが行われ、最高落札額は2玉12万円と去年のおよそ40分の1でした。卸売会社では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、消費の低迷も影響したとみています。
25日午前7時から札幌市中央卸売市場で行われた、メロンの高級ブランド「夕張メロン」の初競りには、24日に収穫された554玉が競りに出されました。

市場では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、先月から競りを中止していますが、夕張メロンは関心が高いとして、25日に限って再開したということです。

ことしの最高落札額は2玉12万円で、釧路市の卸売会社が競り落としました。過去最高だった去年の500万円と比べるとおよそ40分の1で、卸売会社では、去年はいわゆる「ご祝儀相場」で競りが過熱したため、反動があったことに加えて、ことしは感染拡大で高額品の消費が低迷していることが影響したとみています。

卸売会社「札幌みらい中央青果」の木澤岳志取締役は「こういうご時勢なので経済的に厳しい中でのスタートになった。今後、安値傾向が続かないように期待したい」と話していました。

夕張メロンの出荷は9月上旬まで続く予定で、量は例年並みのおよそ3800トンを見込んでいます。

最高額で落札のメロン 札幌のスーパーで展示 あす販売予定

25日の初競りで最高額の2玉12万円で落札された「夕張メロン」は、札幌市西区のスーパー「イオン札幌発寒店」で展示されています。

メロンが置かれた青果コーナーでは、買い物客が、ことしの落札額が去年の40分の1だったと知って驚いていました。

70代の男性は「世の中が休業したり、働きに行けない人がたくさん出たりしているので、そういうのもあって、値段が下がったのでは」と話していました。

また、60代の女性は「去年の値段を知っているから、さみしいですね。これからどんどん景気が悪くなるのかなと思います」と心配していました。

この2玉の夕張メロンは、26日販売される予定で、値段については、現在、検討しているということです。

夕張市農協「ことしの価格でも品質を十分に評価」

「夕張メロン」の初競りの結果について、夕張市農協の木下誠専務理事は「夕張メロンのネームバリューがすごく広がったこともあり、ここ数年は初競りの初値としては高すぎるような値段がついていて、宣伝広告費として業者が商売につなげたいという思惑があったと思う。本来の食べていただく商品としての期待を込めた初値としては、ことしの価格でも品質を十分に評価されている」と話しました。

そのうえで「ことしの夕張メロンは例年より天候の加減がよく、品質もよいので、北海道民の皆様にもたくさん夕張メロンを食べてほしい」と呼びかけました。