武漢の研究所長 新型コロナの発生源は「全くのでっち上げ」

武漢の研究所長 新型コロナの発生源は「全くのでっち上げ」
新型コロナウイルスの発生源について、アメリカのトランプ大統領が、中国・武漢にある研究所から広がった可能性があると主張しているのに対して、研究所の所長は、中国の国営メディアのインタビューで、「全くのでっち上げだ」と述べ、強く否定しました。
新型コロナウイルスの発生源をめぐっては、アメリカのトランプ大統領が、中国湖北省の武漢にある研究所から広がった可能性があると主張しているのに対して、中国側はこれを否定し、米中の対立が激しくなっています。

こうした中、発生源だとして批判されている中国科学院武漢ウイルス研究所の王延軼所長は24日までに、中国の国営メディアのインタビューで、アメリカの主張は「全くのでっち上げだ」と述べ、強く否定しました。

そして、研究所が新型コロナウイルスに初めて接触したのは、去年12月30日だとして、「それ以前に、このウイルスに接触したことも研究したことも、保管したこともない。存在しないものがどうして漏れ出るのか」と訴えました。

一方、この研究所では、新型コロナウイルスの遺伝子の配列と似ているコウモリのコロナウイルスを研究していましたが、王所長は、「このウイルスが漏えいした可能性はない」と述べ、コウモリのコロナウイルスが研究所から広まったとする疑惑も否定しました。

そのうえで王所長は、「発生源の問題は、データや事実に基づいて判断する必要がある」と指摘し、全世界の科学者が協力して研究する問題だと主張しています。