クロロキンは新型コロナ治療に「効果認められず」研究結果

クロロキンは新型コロナ治療に「効果認められず」研究結果
新型コロナウイルスの治療に効果がある可能性があるとして、研究が行われているマラリアなどの治療薬「クロロキン」について、「効果は認められない」とする大規模な患者を対象にした研究結果が発表されました。
マラリアなどの治療薬「クロロキン」は、新型コロナウイルスの働きを抑える可能性が指摘されたことから、アメリカでは新型コロナウイルスの患者に対しての緊急の使用許可が出るなど、すでに医療現場でも使われていますが、患者に対する効果はまだ実証されていません。

アメリカやスイスの研究グループは、去年12月20日から先月14日までに、新型コロナウイルスに感染して入院した患者、9万6000人余りのデータを分析した結果を発表しました。

このうち「クロロキン」、または性質が近い「ヒドロキシクロロキン」を投与された患者はおよそ1万5000人、投与されていない患者はおよそ8万1000人で、致死率は「クロロキン」を投与された患者は16.4%、「ヒドロキシクロロキン」の場合は18%だったのに対し、投与されていない患者は9.3%で、投与された患者のほうが高かったということです。

また、抗菌薬を併せて投与された場合では、致死率は「クロロキン」が22.2%、「ヒドロキシクロロキン」が23.8%と、さらに高くなったということです。

研究グループは入院した時の症状の重さや患者の持病などの影響を踏まえて分析をしても、「クロロキン」や「ヒドロキシクロロキン」に治療の効果は認められなかったとしています。

また、「ヒドロキシクロロキン」と抗菌薬を並行して投与された患者では、8%の人に心拍の異常がみられたということです。

「クロロキン」や「ヒドロキシクロロキン」の新型コロナウイルスへの治療効果については、今月に入って否定的な研究結果が相次いで発表されています。