マスク着用で肌荒れが心配 専門家の見解は 新型コロナウイルス

マスク着用で肌荒れが心配 専門家の見解は 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの影響で、マスクを長時間にわたって着ける人が増える中、マスクによる肌荒れを心配する声がSNS上で上がってています。専門の医師は「過剰に反応する必要はなく、健康的な生活を送って肌の保湿に気を配ることが予防の秘けつだ」と話しています。

肌荒れ心配 SNSに投稿相次ぐ

「マスクでの肌荒れつらいです。日中はずっとしないといけないので、なかなか治りにくいです」

「毎日マスクしているからなのか、口の周りがなんかウズウズするというかかゆいというか、変な違和感があるのが消えない。肌荒れしているのかな」

SNS上には肌のトラブルを心配する投稿が数多く寄せられています。

肌トラブルの原因は?

ではマスクを着けると、どのような肌のトラブルが起きるのでしょうか。そしてどうすれば防げるのでしょうか。

東京 中央区にある「よしき皮膚科クリニック銀座」の吉木伸子院長に話を聞きました。吉木院長によると、原因として3つのことが考えられるといいます。

1つは摩擦による「接触性皮膚炎」です。皮膚とマスクの摩擦によって角質が傷み、赤み・しみるなどの症状が出ます。ティッシュで鼻をかみすぎた時と似たような症状です。

続いて「ニキビ」。摩擦で微細な傷が生じ、そこからニキビができます。肌が蒸れて毛穴がふさがれた結果としてできる場合もあるそうです。

そして「あせも」です。実際にマスクによってあせもができた患者を診たことはないそうですが、「理論的にはありうる」としています。

過剰に反応しすぎ?

一方、多くの人が“マスクによる肌荒れ”に過剰に反応しすぎではないかとも吉木院長は指摘します。

「そもそも肌が赤くなってカサカサする場合は、マスクが原因ではなく、化粧品の成分が強く肌に合わなかったり、クレンジングをしすぎたり、過剰な手入れが原因のことが多い。誰もが長時間、マスクを着けるようになり、不安もあって『肌荒れはマスクのせいだ』と感じるようになっている側面もあるのでは。ただ、ほお骨やあごの骨など、マスクがより強く当たる部分に重点的にトラブルが起きていれば、マスクによる可能性もあるかもしれません」

そのうえで、肌荒れを防ぐには規則正しい生活を送って、肌の健康を整え、保湿に気を配ることを挙げています。

吉木院長は「何より大切なのは皮膚が健康であること。バランスよく食べて、規則正しい生活をすることで肌も健康に保てば、マスクの摩擦くらいであれば耐えられます。心配であれば肌の表面に膜を張るクリームなどを塗り、マスクを着ければ『接触性皮膚炎』を起こしにくくなります。肌は乾燥すると摩擦に弱いので、保湿が大切です。ただ夏場は蒸れてしまうので、油分が多い保湿剤は控えめに」と話しています。