ブラジル 新型コロナによる死者急増 貧困地区中心に感染拡大

ブラジル 新型コロナによる死者急増 貧困地区中心に感染拡大
南米ブラジルでは新型コロナウイルスにより1日に1000人以上の人が亡くなるなど、貧困地区を中心に急速に感染が拡大していて、最大都市サンパウロでは埋葬が追いつかない状況となっています。
ブラジルには貧しい人たちが都市部などの公有地を不法占拠する形で暮らす、「ファベーラ」と呼ばれる地区が各地に点在していて、衛生環境が悪く、狭い住宅に密集して生活するこうした地区の住民を中心に、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しています。

22日の時点で感染者は33万人に達し、1日に1000人以上が亡くなっていて、死亡した人は2万人を超えています。

サンパウロ郊外にある市営の墓地には、急増する死者を埋葬するため、先月8000人分の墓が用意されましたが、1日200人ほどの遺体が運び込まれ、今はその8割ほどがすでに埋まっている状況です。

このままのペースで運ばれてくる遺体が増え続ければ、この墓地も来月初めには埋葬ができなくなるといいます。

また、遺体が多すぎて埋葬の作業が追いつかず、サンパウロ市では20人ほどを臨時で雇って、時間を延長して作業を行っているということです。

「ファベーラ」地区には少なくとも1300万人が暮らしているとされ、南半球のブラジルではこれから冬を迎える中、ここでの感染をいかに食い止めるかが大きな課題となっています。