「学校閉鎖は効果乏しく 子どもの心身脅かす」 新型コロナ

「学校閉鎖は効果乏しく 子どもの心身脅かす」 新型コロナ
子どもへの新型コロナウイルスの感染について、国内外の医学的な情報を日本小児科学会がまとめてウェブサイトに公開しました。子どもが感染源となった集団感染はほとんど見られず、学校などの閉鎖による流行の阻止効果は乏しい一方で、閉鎖は子どもの心身を脅かしているなどとしています。
日本小児科学会がまとめた情報によりますと、新型コロナウイルスの患者のうち、子どもの割合は少なく、ほとんどは家庭で親から感染していて、学校や保育所での集団感染は極めてまれだとしています。

また、症状については、無症状や軽症が多く、死亡例はほとんどない一方、欧米で報告されている全身の血管に炎症が起きる川崎病に似た症状についても国内では報告はないとしています。

そして、学校や保育現場での感染について、子どもが感染源となった集団感染の報告は国内外を通じてほとんど見られず、学校や保育施設の閉鎖で流行を阻止する効果は乏しいとしています。

その一方で、学校の閉鎖は教育の機会を奪うだけでなく、屋外での活動や社会的な交流を減少させ、子どもが抑うつ傾向になるほか、家庭内暴力や虐待などのリスクが高まり、子どもの心身を脅かしていると指摘しています。

情報のまとめに関わった長崎大学の森内浩幸教授は「子どもの発達を考えると、学校の閉鎖のマイナス面はとてつもなく大きい。分かってきた事実をもとに学校などの今後の在り方を考えていかなければいけない」と話しています。