東京五輪エンブレムのような新型コロナデザイン 取り下げへ

東京五輪エンブレムのような新型コロナデザイン 取り下げへ
日本外国特派員協会が会報誌の表紙に、新型コロナウイルスを市松模様があしらわれた東京オリンピックのエンブレムのように表現したデザインを掲載した問題で、外国特派員協会は大会組織委員会の求めに応じて、このデザインを取り下げることになりました。
このデザインは、東京オリンピックのエンブレムにあしらわれた市松模様の周りに「T」のような形を組み合わせて、新型コロナウイルスを表現しています。

日本外国特派員協会の会報誌の4月号の表紙には、このデザインとともに感染症を示す「COVIDー19」と記されています。

これについて、大会組織委員会は「世界的に多大な被害が出る中、エンブレムと関連付けたデザインを掲載したことは遺憾で、著作権法上の著作権の侵害にあたる」などとして取り下げを求めていました。
外国特派員協会は21日、インターネットを使った会見を開き、カルドン・アズハリ会長は「今回の問題は表現の自由についてではなく、日本の法律である著作権をめぐる問題で、協会の理事会は複数の法律の専門家に相談し、われわれの立場は有利ではないと明確に助言を受けた」と述べ、著作権を侵害するおそれがあるため、デザインを取り下げると表明しました。

そのうえで、アズハリ会長は「今回の問題で各方面の方々に不快な思いをさせたことを遺憾に思います」と述べました。

会見では外国のメディアの記者から、報道の自由が脅かされているといった厳しい指摘が相次ぎましたが、アズハリ会長は「今回の決定は報道の自由、かつ表現の自由の問題ではなく、著作権の問題だ」と重ねて強調していました。

組織委員会「適切な判断」

組織委員会の武藤事務総長は、オンラインで報道陣の取材に応じ、日本外国特派員協会からデザインの取り下げと組織委員会の関係者へのおわびを伝えるファックスが届いたことを明らかにしました。

武藤事務総長は「適切な判断をいただいたと考えている」と述べました。