宣言解除の目安 東京と神奈川で上回る 新型コロナウイルス

宣言解除の目安 東京と神奈川で上回る 新型コロナウイルス
政府は新型コロナウイルス対策の基本的対処方針の中で、緊急事態宣言の解除を判断する際の感染の状況について「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり、0.5人程度以下」になることを目安とするとしています。関東の1都6県と山梨県のうち、20日までの1週間で、この目安を上回っていたのは、東京都と神奈川県でした。
NHKがまとめたデータをもとに20日までの1週間について、10万人当たりの新たな感染者数をみると、関東の「特定警戒都道府県」のうち、東京都は0.56人、神奈川県は1.11人と目安を上回った一方、埼玉県は0.31人、千葉県は0.21人と下回りました。

また、栃木県は0.36人、群馬県は0.05人、山梨県は0.37人で、茨城県は直近の1週間で感染者はいませんでした。

新型コロナウイルス対策を話し合う国の専門家会議は、今月14日に出した提言の中で、関東や関西の行き来が多い生活圏の単位でも感染状況を検討していますが、特定警戒都道府県となっている関東の東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県では0.59人と目安を上回っています。

さらに、政府の基本的対処方針では「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり、1人程度以下の場合は、減少傾向を確認するなどして総合的に判断する」としていますが、関東の1都6県と山梨県のうち、超えたのは神奈川県のみでした。

また、目安とされる「直近1週間の感染者数が人口10万人当たり、0.5人程度」について、それぞれの都道府県の人口のデータから計算すると、東京都の目安は70人となりますが、20日までの1週間での新たな感染者数は78人と8人上回り、神奈川県は目安の46人に対して102人と56人上回っています。

一方で、埼玉県は目安の37人に対して23人、千葉県は目安の31人に対して13人、群馬県は目安の10人に対して1人、栃木県は目安の10人に対して7人、山梨県は目安の4人に対して3人となっています。

神奈川県 病院での集団感染目立ち 感染者数が減らず

神奈川県は、感染者の数が大きく減らない要因は医療機関で集団感染が相次いでいるためだとしています。

政府は、緊急事態宣言の解除を判断する際の感染状況について「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり、0.5人程度以下」になることを目安の1つとしていますが、NHKがまとめたデータをもとに、20日までの1週間について、10万人当たりの新たな感染者数をみると神奈川県では1.11人と、この目安を上回っています。

神奈川県内では医療機関での集団感染が目立っていて、20日までの1週間に県内で感染が発表された102人のうち、病院に関係する人は48人と半数近くを占めています。

特に横浜市では、感染者が5人以上のクラスターが確認された病院は8か所にのぼっていて、この1週間ではこのうち少なくとも5か所で新たな感染者が確認されています。

とりわけ横浜市旭区にある「聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院」は、看護師や入院患者などがこれまでに78人が感染し、この1週間でも、このうちの12人の感染が確認されています。

また、横浜市以外でも、小田原市の小田原市立病院では看護師や入院患者などがこれまでに33人が感染し、このうち6人はこの1週間に感染が確認されました。

一方、20日までの1週間に発表された102人の感染者のうち感染経路がわからないのは、NHKのまとめでは30人で3割ほどとなっています。