WHOテドロス事務局長 米の書簡に対し「内容を研究中」

WHOテドロス事務局長 米の書簡に対し「内容を研究中」
新型コロナウイルスへの対応をめぐってアメリカのトランプ大統領がWHO=世界保健機関のテドロス事務局長に対して中国からの独立性を示すよう求める書簡を公表したことについてテドロス事務局長は「今、内容を研究しているところだ」と述べるにとどめ、書簡にどう対応するのか言及を避けました。
WHOのテドロス事務局長は、19日までの2日間の総会の直後に記者会見を予定していましたが、トランプ大統領が新型コロナウイルスをめぐる一連の対応を批判して中国からの独立性を示すよう求める書簡を公開したあと急きょ中止していました。

総会から丸1日余りたった20日、テドロス事務局長はスイスのジュネーブの本部で開いた定例記者会見で、「書簡はもちろん受け取った。今、内容を研究しているところだ」と述べるにとどまりました。

会見では書簡についての質問が相次ぎましたがテドロス事務局長は具体的な対応については答えず会見の司会を務めるヤシャレビチ報道官も「この件については、この答えがすべてです」と述べ追加の質問には答えられないという姿勢を示しました。

テドロス事務局長は先月、トランプ大統領がWHOへの資金拠出の見直しを示唆した直後の会見では「ウイルスを政治問題化しないでほしい」と感情をあらわにして訴えましたが20日の会見では具体的な回答は避けていて、対応を協議する中、アメリカとの緊張関係がエスカレートしないよう配慮しているものとみられます。

世界の感染者は過去24時間で最多

テドロス事務局長は20日の定例記者会見で、過去24時間に世界で10万6000人の感染者が新たに確認され、感染が始まって以降最も多い数だったと明らかにしました。
そのうえで、「パンデミックの道のりはまだまだ長い」と述べ、引き続き、医療従事者や感染者に必要な医療物資が届けられるように加盟国を支援していく考えを示しました。