サイクロン インド東部に上陸 新型コロナ感染拡大に懸念も

サイクロン インド東部に上陸 新型コロナ感染拡大に懸念も
非常に強い勢力のサイクロンが20日夜、インド東部に上陸し、暴風雨や高潮による被害に加えて、新型コロナウイルスの感染が広がるなか避難所で感染が拡大することへの懸念も強まっています。
インドの気象当局などによりますと、サイクロン「アンパン」は一時、最も強い勢力の「スーパーサイクロン」に発達したあと、勢力をやや弱めながらベンガル湾を北上し、20日夜、インド東部の西ベンガル州に上陸しました。

サイクロンの中心付近では最大瞬間風速が50メートル前後に達し、気象当局は1999年にインド東部でおよそ1万人の犠牲者を出したサイクロンに匹敵する被害が出るおそれがあるとして厳重な警戒を呼びかけています。

インドでは新型コロナウイルスの感染が広がっていて、東部の2つの州では合わせて4000人近い感染者が出ているほか、サイクロンの進路にあたるバングラデシュでも感染者が2万5000人を超えています。

サイクロンの接近を受けて、インドとバングラデシュでは合わせて300万人近くに避難を呼びかけていますが、住民が避難所に密集することで感染が拡大することへの懸念も強まっています。

地元当局は避難所の定員を半分に制限したり、アルコール消毒を徹底したりするなどの対策を取っていますが、避難所に入れない住民が出るおそれもあり、難しい対応を迫られています。