防衛白書 素案 中国など「国家間の競争を顕在化させうる」

防衛白書 素案 中国など「国家間の競争を顕在化させうる」
ことしの防衛白書の素案が明らかになり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国などが、「影響力の拡大を目指した国家間の競争を顕在化させうる」と指摘し、安全保障上の課題として注視する必要があると警戒感を示しています。
素案では、新型コロナウイルスの感染拡大について、各国は軍も活用して対応に努める一方、訓練の中止など、軍事活動に影響や制約が生じているとしています。

こうした中、中国軍は、より遠方での作戦遂行能力の構築を目指していると分析した上で日本周辺での活動の拡大化が継続し、東シナ海や南シナ海でも現状変更を試みていて、各国が感染への対応に力を注ぐなか、反発を招いているとしています。

そして中国などが各国に医療専門家を派遣する一方、偽情報を流布するといった工作を行っているとも言われていることについて「みずからに有利な国際秩序の形成や、影響力の拡大を目指した国家間の競争を顕在化させうる」と指摘し、安全保障上の課題として注視する必要があると警戒感を示しています。

北朝鮮については、「弾道ミサイルに核兵器を搭載して、わが国を攻撃する能力をすでに保有しているとみられる」と分析し、去年5月以降に発射された短距離弾道ミサイルは、通常よりも低空を飛しょうして防衛網の突破を狙っていて、迎撃態勢の新たな課題だとしています。

防衛白書は、ことし7月にも閣議で報告されて公表されます。