ロシア 北朝鮮への石油製品 輸出再開 人道支援として小麦も

ロシア 北朝鮮への石油製品 輸出再開 人道支援として小麦も
ロシア政府の高官は、北朝鮮が新型コロナウイルス対策の影響で経済的な苦境に陥っているとして、中断していた北朝鮮への石油製品の輸出を再開したうえ、人道支援として小麦を送ったことを明らかにし、国連が科している経済制裁を緩和するよう訴えました。
北朝鮮は、新型コロナウイルスの感染が国内に広がるのを防ぐため、ことし2月以降、ロシアや中国との間で列車や航空便の行き来を停止する措置をとっています。

これについて、北朝鮮の首都ピョンヤンに駐在するロシアのマツェゴラ大使は、20日、ロシアのメディアに対し、列車が運行停止になって以降、中断していた軽油などの石油製品の輸出を再開したことを明らかにしました。

供給量は、ひと月当たり、2000トンから3000トンと去年と同じ水準で、北朝鮮への石油製品の輸出の上限を定める国連の制裁決議には違反していないとしています。また北朝鮮では食料不足も起きているとして、人道支援として、小麦2万5000トンを供給したほか、さらに追加の支援を予定しているということです。

マツェゴラ大使は、北朝鮮が感染対策の影響で経済的な苦境に陥っているうえ、国連などの制裁措置によって医薬品や医療機器の確保も妨げられているとして、制裁を緩和するよう訴えていて、伝統的な友好国のロシアとして存在感を示すねらいもあるとみられます。