がん患者に影響広がる 治療や検査の延期 新型コロナ感染拡大

がん患者に影響広がる 治療や検査の延期 新型コロナ感染拡大
女性のがん患者を対象にした調査で、新型コロナウイルスの感染拡大によって治療や検査が延期されるなどの影響を受けていると答えた人が25%にのぼり、がん治療にも影響が広がっています。
調査は乳がんや卵巣がんなど女性のがん患者の交流サイト「ピアリング」の運営団体が、先月19日から1週間インターネットを通じて行ったもので、1100人余りが回答しました。

この中で、新型コロナウイルスの感染拡大によるがん治療への影響を尋ねたところ、「大きく影響を受けている」(61人/5.5%)、「少し影響を受けている」(211人/19.2%)と答えた人が、合わせて272人で全体のおよそ25%にのぼりました。
(あまり影響がない385人/35%、全く影響がない275人/25%)

これらの人たちに影響の内容を複数回答で尋ねたところ、「感染への不安からみずから通院予定を延期した」と答えた人が57人と最も多く、次いで、「治療の遅延」が46人、「診察の延期」が41人などとなり、「手術の遅延」と答えた人も19人いました。

また、全体の97%(1070人)が「自分や家族が感染する不安を感じている」と回答し、先月以降の体調について複数回答で尋ねると、「気持ちが落ち込んで暗くなる」が32%(355人)、「不安で眠れなくなることがある」が19%(213人)にのぼりました。
(特にかわっていない32%・349人、体がだるい22%・238人)

乳腺外科が専門で調査を監修した愛知県の一宮西病院の鈴木瞳医師は、「長期的に影響が続くことが予想されるので、主治医を中心としたスタッフは患者の心のケアに努めるべきだし、患者も不安を一人で抱え込まず自分の治療や不安をどうしたらいいのか話す場を設けてもらうことが大切だ」と話しています。