黒川検事長 賭けマージャン報道「事実関係承知せず」官房長官

黒川検事長 賭けマージャン報道「事実関係承知せず」官房長官
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新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の要請が続く中、東京高等検察庁の黒川検事長が今月、東京都内で新聞記者と賭けマージャンをした疑いがあると報じられたことについて、菅官房長官は記者会見で「事実関係の詳細を承知しておらず、コメントは控えたい」と述べました。
「文春オンライン」は、東京高等検察庁の黒川弘務検事長が、新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛の要請が続く中、今月、東京都内で新聞記者と賭けマージャンをした疑いがあると報じました。

これについて、菅官房長官は午後の記者会見で、「報道は承知しているが、事実関係については詳細を承知しておらず、コメントは差し控えたい。いずれにせよ、法務省で適切に対応する」と述べました。

また記者団が、検察庁法改正案の今の国会での成立見送りの判断に影響したのかと質問したのに対し、菅官房長官は、「全く違う」と述べました。

また、菅官房長官は衆議院内閣委員会で、「報道は承知をしているが、事実関係については詳細を承知していないので、発言を控える」と述べました。

また、立憲民主党などの会派に所属する柚木道義氏が、黒川検事長について、「間違っても捜査される側にあたるような行為を一切行っていないという認識か」と質問されたのに対し、「指摘の点は、報道を前提にしたものと考えられるが、事実関係について詳細を承知しておらず、コメントすることは差し控えたいと思う」と述べました。

朝日新聞社 50代男性社員の参加を認める

東京高等検察庁の黒川弘務検事長が緊急事態宣言のさなかの今月、賭けマージャンをしていた疑いがあると報じた「文春オンライン」は、産経新聞の記者2人と朝日新聞の元記者が参加していたと報じています。

NHKの取材に対し、朝日新聞社は50代の東京本社の男性社員が今月1日と13日の夜にマージャンに参加していたことを認め、「勤務時間外の個人的行動ではありますが、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられている状況下でもあり、極めて不適切な行為でおわびします」と回答しました。

また、マージャンで現金を賭けていたかどうかについては「事実関係を調査している」としています。

産経新聞社「取材に関することは従来からお答えしていません」

一方、産経新聞社は「取材に関することは、従来からお答えしていません」としたうえで、「取材過程で不適切な行為が伴うことは許されず、そうした行為があった場合には、取材源の秘匿の原則を守りつつ適切に対処します」とコメントしています。

東京高検「コメントできない」

東京高等検察庁の黒川弘務検事長が緊急事態宣言のさなかの今月、賭けマージャンをしていた疑いがあると「文春オンライン」で報じられたことについて東京高検は「コメントできない」としています。

自民幹部「辞めざるをえない」

自民党の幹部は「本当であれば、賭けマージャンは、まずい。辞めざるをえないだろう」と述べました。

立民 安住国対委員長「進退に直結する話だ」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「黒川氏は東京高等検察庁の検事長という立場にあり、事実であれば、即刻、進退に直結する話だ。注視していきたい」と述べました。

また、安住国会対策委員長は「賭けマージャンをやるような人の定年を延長したのであれば、任命者の責任を問わないといけない。検察は、ほかのどの組織よりも清廉さや潔白さがなければ、国民の信頼を得て仕事をすることは無理だ。また国民が自粛生活を行っている中で、賭けマージャンをやっていたとすれば、組織のリーダーとして失格と言わざるをえない。直ちに辞任すべきだ」と述べました。

立民 蓮舫参院幹事長「政府は事実を明らかに」

立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は、記者団に対し、「国民に自粛を要請しているさなかに賭博という違法行為を行っていたとは思えないが、政府は本人にヒアリングをして事実関係を明らかにするべきだ。刑法に違反するような人が、国民の立場に立って巨悪を捕まえられるとはとても思えず、事実なら人事院の指針に沿って処分するべきだ」と述べました。

国民 玉木代表「説明なければ任にあらず」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「事実であれば、刑法の賭博罪などにあたり、最高責任者である検事総長に就くことは国民が納得しないし、今の検事長ポストにとどまることが適切かどうかも問われる。自身の口で事実関係を明らかにするべきで、説明責任を果たせないならば、『任にあらず』とならざるをえない」と述べました。

公明 石田政調会長「事実なら職務続けられず」

公明党の石田政務調査会長は、記者会見で「検察は法と証拠に基づいて適正に職務を遂行していると思っているが、報道が事実であれば、賭けマージャンはやってはいけないことで、職務を続けられる話ではないだろう」と述べました。

維新 遠藤国対委員長「事実であれば甚だ遺憾だ」

日本維新の会の遠藤国会対策委員長は、NHKの取材に対し、「事実であれば、甚だ遺憾だ。本来、きちんと範を示すべき検察官が賭けマージャンをしていたとすると、検事長の職を辞めざるをえない」と述べました。

共産 小池書記局長「即時、辞任するべきだ」

共産党の小池書記局長は、記者会見で、「事実であれば、検事長の座にとどまることは許されず、即時、辞任するべきだ。安倍政権は、閣議決定までして黒川氏の定年を延長しており、単なる任命責任で済ませられる問題ではない。政権の責任は重大で厳しく問われる」と述べました。

社民 福島党首「説明責任を尽くすべき」

社民党の福島党首は、記者会見で「日本は賭博を禁止しているので、賭けマージャンは刑法違反になる。また緊急事態宣言が出ている中でやっていたということで、もし事実であれば、2つの意味で極めて問題だ。黒川検事長はきちんと説明責任を尽くすべきだ」と述べました。