非正規雇用の課題ってなに?

非正規雇用の課題ってなに?
いま働く人たちの何%が非正規雇用か知っていますか?今回は中学の入試問題をもとに、新型コロナウイルスでも影響を受けている働き方について考えていきましょう。

私立中学の入試問題に挑戦!

問題
「『働き方改革』の進展や、憲法の規定にもかかわらず、勤労者の雇用環境をめぐっては、近年もさまざまな問題が起こっています。そうした問題の中でも、特に『非正規労働者』をめぐる問題は深刻です。このことについて述べた文として誤っているものを、次のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい」

ア 非正規労働者の割合は、労働者全体の約4割にも達する状況である。
イ 非正規労働者の割合は、女性よりも男性のほうが高い。
ウ 非正規労働者は、企業側には都合のよい『雇用の調整弁』とされることがある。
エ 非正規労働者は、正社員に比べて賃金や福利厚生などの面で待遇が悪いのが一般的である。
選択肢を1つずつ見ていきましょう。

まず選択肢のア「非正規労働者の割合は、労働者全体の約4割にも達する状況である」から見ていきます。
国が行ったことし3月分の労働力調査では、役員を除く雇用者は約5656万人で、そのうち非正規の職員・従業員は2150万人。割合はおよそ38%でした。ですから、これは正しいですね。

次にイ「非正規労働者の割合は、女性よりも男性のほうが高い」。
これは、どうでしょうか。
同じ調査で、非正規労働者のうち男女の内訳を見てみると女性が7割弱を占めています。ですから、このイの内容は誤っています。

残りの選択肢のウとエも確認しましょう。ウ「非正規労働者は、企業側には都合のよい『雇用の調整弁』とされることがある」、エ「非正規労働者は、正社員に比べて賃金や福利厚生などの面で待遇が悪いのが一般的である」は、どちらも正しい内容で、新型コロナウイルスの影響を受けている今の状況にも通じるものがありますね。
誤っている内容が記されているのは選択肢のイでした。

労働について考えることの意味は?

この問題は中学入試で出題されました。まだ、働いたことがない子どもたちに労働について出題するねらいは何でしょうか?
ミガケ取材班は、学習塾で社会を担当する玉井滋雄さんに話を聞きました。
SAPIX 玉井さん
「12歳の子どもとはいえ、先々自分たちも働く立場になる訳ですから、今の段階から働くことについて考えられるといいよね、ということがメッセージとしてあるんじゃないかなと思いますね」
学習塾で、この問題を教えるとき子どもたちには歴史的な背景から説明するといいます。高度経済成長期に男性が外で働いて、女性は家で家事や育児をするという役割分担が定着していったことで、いまも女性のほうが非正規で働く割合が高くなっています。
SAPIX 玉井さん
「女性が家事育児を家の中で担って、男性が外で働く、というのが必ずしもいい状況なのかということを改めて疑問を持って進もうとしている社会だと思うんですよね、いまというのは。そういったいろんなことについて考えをめぐらせるということも必要だよね、というのがこの問題のねらいなのかなと思います」
さらに、玉井さんは、子どもたちには、この問題から、いろいろ考えをめぐらせてほしいと話していました。
SAPIX 玉井さん
「非正規労働者は男性も決して低い割合ではなく、それが結婚する、子どもを持つことをためらわせる。それが少子化の理由の1つになるのではないか。授業では、子どもたちから質問があれば、そこまで話すこともあります」

「正社員で働くなら1日8時間、1日のうち3分の1を労働に使うことになるんですよね。働くってこと自体の自分にとっての価値は何か、自分なりに探すというのが子どもたちにこれから必要なのかなと思っています」
学習として学ぶだけでなく、自分たちの将来、生き方まで考えさせるようになっているんですね。労働や働くことについて考えさせる入試問題は増えてきているそうですよ。

新型コロナで変わる働き方

いまテレワークで仕事をしている人も多いと思います。民間シンクタンクのパーソル総合研究所が発表した調査によると、正社員のテレワーク実施率が27.9%であるのに対して、非正規の実施率は17.0%とおよそ10ポイントの差がありました。

非正規の場合、飲食業や販売業などテレワークで行えない仕事が多いからだと考えられます。生活に欠かせない現場を支えてくれているんですね。

新型コロナウイルスの影響で、テレワークや時差出勤など働き方そのものが変わってきています。その時々の社会状況が雇用や働き方に大きく影響しますが、おおもとの考え方は小さいころからきちんと考えていく必要があるかもしれません。
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