「雇用調整助成金」オンライン申請 不具合 復旧めど立たず

「雇用調整助成金」オンライン申請 不具合 復旧めど立たず
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う支援策として、20日から始まった「雇用調整助成金」のオンラインの申請システムで、申請した人の名前や電話番号などの個人情報がほかの申請者に見られる状態になっていたことが分かり、厚生労働省は現在、受け付けを中止しています。復旧のめどは立っていないということです。
「雇用調整助成金」は、売り上げが減少しても企業が従業員を解雇せずに雇用を維持し、休業手当を支払った場合に国が手当ての一部を助成する制度で、休業を余儀なくされた企業のニーズの高まりなどを受け、厚生労働省は20日から手続きを簡素化するためオンラインでの申請の受け付けを始めました。

しかし、申請するための専用の画面にアクセスすると、ほかの申請者の名前やメールアドレス、それに電話番号などが見られる状態になっていたということで、一般の申請者からの問い合わせを受け、現在、受け付けを中止しています。

厚生労働省によりますと、同じタイミングでシステムに登録すると本来、個別に割りふられるはずのIDが同じになり、個人情報が見られる状態になっていたということです。

受け付けを中止する前に登録を済ませた人はおよそ2000人に上るということですが、このうち何人の個人情報が漏えいしたかは分かっていないということです。

厚生労働省は原因の究明とシステムの復旧を急いでいますが、めどは立っていないということです。

立民 蓮舫参院幹事長「2次被害の防止策を」

立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は記者団に対し「あまりにお粗末と言わざるをえない。個人の電話番号やメールアドレスが漏れたとなると、助成金の詐欺など2次被害が懸念されるので、政府にはその防止策も同時に講じるよう強く申し入れたい」と述べました。

共産 小池書記局長「許されない失態だ」

共産党の小池書記局長は記者会見で「多くの国民が雇用調整助成金に期待している中、許されない失態で、あまりにもお粗末すぎる。原因を直ちに究明して、一刻も早く再開するよう求めたい」と述べました。