約1万作品のアダルトビデオ 申請受けて販売停止などの対応

約1万作品のアダルトビデオ 申請受けて販売停止などの対応
アダルトビデオへの出演強要問題を受けて発足した第三者機関に対し、作品の販売停止などを求める申請が2年余りの間におよそ1万2000の作品について出され、およそ1万の作品について販売停止などが行われていたことが分かりました。
アダルトビデオをめぐっては、本人の意思に反して出演を強要する被害があるとして、3年前、大学教授と弁護士による第三者委員会が発足し、業界が守るべきルールを作ったほか、おととし2月からは女優などから作品の販売や配信の取りやめの申請も受け付けています。

それによりますと、申請はことし4月までの2年余りで、1万2445の作品について出され、メーカー側は1万508の作品について、販売の停止や出演者の名前を削除するなど、対応を取っていたことが分かりました。

申請の理由は、周囲に知られたことや結婚や婚約、それに社会からのバッシングへの不安を挙げた人が多く、出演強要が確認されたケースはごく少数だったとしています。

一方、565の作品は第三者機関に加盟していない無修正の作品などで対応できないとしています。

AV人権倫理機構の理事を務める桐蔭横浜大学副学長の河合幹雄さんは「以前は裁判を起こさなければならなかったが、今は名前と生年月日が確認できれば申請できるようになり、うまく機能したと思っている」と話しています。

また出演強要はごく少数だったものの「アダルトビデオではないと偽って出演させ、途中で撮影中止になったり、販売しなかったりするケースがあり、これも被害の一つと捉えている」と話しています。

第三者機関の対策

このほかAV人権倫理機構では共通の契約書を作り、メーカーからプロダクションに支払われる出演料の総額を示して、女優が適正な報酬を得られるようにしたり、「アダルトビデオではない」などと虚偽の説明を受けていないか確認する項目を盛り込んだりしています。

以前は著作権が永続的にメーカーにあるなど女優に不利な契約が横行し、十分な報酬を得られないケースもあったということです。

河合理事「現状はしっかりしたメーカーとプロダクションはしっかりやっているというところで終わっていて、零細なメーカーなどにどれだけ手を回すことができるかに尽きる。女優に不利にならないためのさまざまな取り組みを進めたい」と話しています。

NGO事務局長「法規制が重要」

一方、出演強要問題に取り組んできた、国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」は、大手メーカー以外による被害が増えているのではないかと指摘しています。

事務局長を務める伊藤和子弁護士は「ゲリラ的な形で急に『撮影しますよ』と言って撮影される被害が増えてきていると思います。自主的な業界のルールだけでは足りず、法による規制が重要です」と話しています。

そのうえで「女性をモノのように見て虐待したりレイプしたりする作品も多いのに、表現の自由ということで規制の対象にならないことについても社会的な議論が必要だと思います」と話しています。