パキスタン 経済活動制限緩和も集団感染リスク懸念 新型コロナ

パキスタン 経済活動制限緩和も集団感染リスク懸念 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染拡大が続くパキスタンでは、景気悪化の懸念などから経済活動の制限が緩和されましたが、一部の商店や市場ではマスクの着用や消毒などが行われていないため、医療関係者は集団感染のリスクが高まるとして感染対策を徹底するよう呼びかけています。
パキスタンでは新型コロナウイルスの感染者が3万8000人を超えて感染拡大が続いていますが、政府は今月9日、景気悪化の懸念などから経済活動の制限を段階的に緩和し、小規模の商店や事業所を中心に営業が再開されました。

営業を再開した商店などでは感染予防策が求められていますが、一部の商店や市場ではマスクの着用や消毒が徹底されていないほか、人と人との距離がとられていないことなどが問題となっています。

首都イスラマバードで靴屋を営む男性は、「イスラム教徒として毎日祈りをささげており、感染しないだろうと信じている。宗教的な理由から対策を徹底させることは困難だ」と話していました。

商店の中には、資金繰りの悪化でマスクや消毒液を購入できないところもあるということですが、医療関係者は集団感染のリスクが高まるとして懸念を強めています。

イスラマバード近郊にある病院の医師はNHKの取材に対し「感染対策が不十分な状況が続けば、病院には十分なベッドがないため、患者を収容できず、命が失われるだろう」と述べ、感染対策を徹底するよう呼びかけています。