タクシー送迎や食事提供 医療関係者への支援広がる 新型コロナ

タクシー送迎や食事提供 医療関係者への支援広がる 新型コロナ
新型コロナウイルスの対応で厳しい環境での勤務が続く医師や看護師などを支援しようと医療関係者をタクシーで無料で送迎する取り組みが都内で始まっています。
この取り組みはイベントの企画などを手がける東京の会社がインターネットで医療関係者への支援を呼びかけ、クラウドファンディングで集めた資金を活用して今月から始めました。

現在、支援しているのは東京・大田区の総合病院で働く医療関係者です。

この病院は行政の依頼を受けてPCR検査を行っていますが、地元のタクシー会社から派遣された10台のタクシーが20人の看護師の送迎を無料で行っているということです。

タクシーの無料送迎を利用している看護師は「病院が新型コロナウイルスの関係で混み合っていて精神的にも疲れるので、ラッシュを気にしないで帰れるのはすごくありがたいです」と話していました。

今回の無料送迎の取り組みは、感染拡大によって売り上げが落ち込んでいるタクシー会社を支援するねらいもあるということです。

イベント会社「エッグワーム」の川村昌紀社長は「少しでも笑顔や安心につながればうれしい。厳しい現場で仕事にあたる医療関係者はたくさんいると思うので支援を広げていきたい」と話していました。
医療機関で治療や検査にあたる医師や看護師などの健康を支援しようと食品メーカーの総菜や飲料などを無償で病院に届ける取り組みも始まっています。

これは食品の宅配サービスを手がける「オイシックス・ラ・大地」などが60社以上の企業と協力して先月末から始めているもので、メーカーから提供された総菜や真空パックのごはんなどの食品を希望する医療機関に無償で届けています。

この日は新型コロナウイルスに感染した人が入院している東京・品川区の病院に野菜ジュースやお菓子が届けられ、職員たちが一つずつ手に取っていました。

病院の担当者は「医療従事者には栄養をしっかりとって心身ともに健康で働いてもらいたい。食品の提供は応援されているという気持ちが伝わってうれしい」と話していました。

医療従事者の食をめぐっては、サービスを始めた会社が複数の医療機関に聞き取りを行ったところ「新型コロナウイルスの患者がいる病院には出前が来てくれないので、災害用の備蓄品を食べている」とか、「患者の食事を優先して医療従事者の給食がなくなった」など切実な声も寄せられたということです。

このサービスは都内の23の医療機関で行われていて、会社では今後さらに対象を広げたいとしています。