全米9割以上の州で経済活動再開 コロナ感染再拡大の懸念も

全米9割以上の州で経済活動再開 コロナ感染再拡大の懸念も
k10012432861_202005160741_202005160743.mp4
アメリカで感染拡大が最も深刻なニューヨーク州で15日、一部の地域で建設業などの仕事の再開が認められました。これにより、全米の9割以上の州で限定的ながらも経済活動が再開されましたが、一部の州では再開前に比べて感染者の増加のペースが上がっていて、再び感染が拡大することへの懸念も強まっています。
アメリカで感染者と死亡者が最も多い東部ニューヨーク州では15日、経済活動の再開に向けた基準を満たした一部の地域で、限定した仕事の再開が認められました。

ニューヨーク州では、入院患者や病院の受け入れ態勢などに関する州の基準を満たした地域から、4段階に分けて経済活動を再開させる方針を示していて、この日、認められたのは人口の少ない郊外の地域での第1段階となる建設業や製造業の再開でした。

ただ、これらの地域でも小売や飲食、金融業は第2段階以降とされています。

またニューヨーク市では依然として全面的な制限が続いています。15日にはニューヨーク州のほか、東部メリーランド州や南部バージニア州なども再開に踏み切り、この結果、全米の50の州のうち9割以上となる47州で限定的ながらも経済活動が再開されました。

一方で、全米では今週に入ってからも1日に1万5000人以上の感染が確認されていて、依然、感染は収まっていません。

中でも、大都市シカゴがある中西部イリノイ州では、1日に確認された新たな感染者が今月に入り、これまでで最も多かった2724人を超えて4014人となり、経済活動の再開前より増加のペースが上がっています。

死亡者数の予測を出しているワシントン大学は経済活動の再開などによって、ことし8月上旬までの死亡者の予測を13万5000人ほどからおよそ14万7000人へと引き上げています。

トランプ政権の感染対策チームの専門家のファウチ博士は「不適切な方法で経済活動を再開したら爆発的な感染を引き起こし、死者を増やすだけでなく経済の復興にも影響が出ることになる」と述べていて、再び感染が拡大することへの懸念も強まっています。