東京 台東・品川・足立・葛飾区 小中学校 水泳授業中止に

東京 台東・品川・足立・葛飾区 小中学校 水泳授業中止に
休校が続く都内では、小中学校で健康診断が実施できず、安全の確保が難しいなどとして、東京23区のうち4つの教育委員会が今年度、水泳の授業の中止を決めたことがわかりました。
都内のほとんどの小中学校では、水泳の授業が毎年6月から9月にかけて行われ、それに先立って医師による健康診断で、心臓や目、耳に病気がないかなど児童・生徒の持病や体調が確認されます。

しかし、ことしは新型コロナウイルスの影響で休校が続き、健康診断が実施されていないうえ、文部科学省も今年度は年度末までに実施すればよいとしています。

こうした中、東京23区のうち、台東区、品川区、足立区、それに葛飾区の4つの教育委員会が、すでに今年度、小中学校での水泳の授業の中止を決めたことがNHKの取材でわかりました。また杉並区と荒川区も中止を検討しているということです。

これらの区は中止の理由について、学校再開の見通しが立っておらず、水泳の授業を始めるまでに健康診断を終えるのが難しいとみられるうえ、健康診断が実施できないままでは児童や生徒の安全が確保できないこと、それに更衣室などでいわゆる「3密」のリスクを避けるのが難しいためなどとしています。

水泳の授業をめぐっては、すでに大分市教育委員会が今年度、小中学校では行わないことを認める方針を決めていて、中止を決めた小学校も出ています。

早期の健康診断できず 子どもの体調把握が困難

このうち足立区は、区立の小中学校で例年、児童や生徒の健康診断を4月から6月にかけて行ったうえで、水泳の授業を6月から9月の間、行っています。

ことしは都内で学校の再開時期のめどがたたない中、地元の医師会と協議した結果、健康診断が早くても9月までかかることになり、水泳の授業の前に子どもたちの健康状態を把握することが難しくなったということです。

また、水泳は複数の学年やクラスが合同で行う場合も多く、更衣室などで密集を避けられないおそれもあるということです。

このため、足立区教育委員会は区立の小中学校合わせて104校の今年度の水泳の授業の中止を先月下旬に決め、各学校に通知しました。

このうち千寿桜小学校では来月22日から水泳の授業の予定を組んでいましたが、教育委員会の通知を受けて、中止を各家庭に学校便りやメールなどで伝えたということです。

千寿桜小学校の田村正弘校長は「水泳の授業は水に対する安全教育などの意義もあり、大切な活動ではあるが、健康診断なしで行うのは子どもの安全を確保できない。また、更衣室やプールサイドで子どもたちどうしの距離を確保しようと思っても、施設の広さや授業時間との関係があって難しい」と話していました。

水泳の授業が中止になったことについて千寿桜小学校の1年生の男子児童は「水泳の授業で水に潜る練習をしたいと思っていたので、中止になったのは嫌です」と話していました。

別の小学校に通う5年生の男子児童は「水泳の授業を楽しみにしていたので、中止になったのは残念ですが、しょうがないと思います。感染が終息するまで我慢します」と話していました。