福島 伝統の夏祭り「相馬野馬追」ことしは神事のみ コロナ対策

福島 伝統の夏祭り「相馬野馬追」ことしは神事のみ コロナ対策
福島県相馬地方伝統の夏祭り「相馬野馬追」について主催者は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ことしは大勢の人が集まる神旗争奪戦や騎馬武者の行列などを中止し、関係者による神事のみ行うことを決めました。
これは15日、主催する執行委員会の代表を務める南相馬市の門馬和夫市長が記者会見して明らかにしました。

それによりますと、ことしの相馬野馬追は7月25日から3日間行われますが、最大の呼び物の神旗争奪戦やかっちゅう競馬それに騎馬武者が街を練り歩く行列など、多くの見物客が集まる行事を中止します。

各地の神社での神事は3日間、参加者を10人程度に絞って無観客で実施するとしています。

相馬野馬追は震災と原発事故が起きた2011年も神旗争奪戦やかっちゅう競馬を中止しましたが、相馬市など一部の地区で、騎馬武者の行列は実施されました。

このときは大勢の見物客が訪れていて、ことしは震災の年より規模が縮小されることになります。

ことしの規模について執行委員会は「江戸時代の飢きんや明治維新のときの例を参考にして実施したい」としています。

門馬市長は「野馬追は世界の人に震災からの復興を見てもらう大切な機会だったので、今回の規模縮小はとても心苦しい決断だった。地域の平和と安寧を願う大切な行事なので、最低限の人数にはなるが、しっかり感染症対策をしたうえで実施したい」と話していました。