シンガポール航空 初の最終赤字に 新型コロナで利用客減少

シンガポール航空 初の最終赤字に 新型コロナで利用客減少
新型コロナウイルスの感染拡大の影響はアジアの航空業界にも広がっていて、シンガポール航空のことし3月までの1年間の決算は利用客の落ち込みで、会社の設立以来、初めて最終赤字となりました。
シンガポール航空はことし3月までの1年間のグループ全体の決算を発表し、売り上げは日本円にしておよそ1兆2000億円と、前の年度と比べて2.1%減少し、最終的な損益はおよそ160億円の赤字となりました。シンガポール航空の1年間の決算が最終赤字となったのは、1972年の会社設立以来、初めてです。

これは新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むために、各国で入国制限が行われた影響などで、旅客便の利用客が大きく落ち込んだことが主な要因です。

また、感染拡大の影響を大きく受けた、ことし1月から3月までの3か月間の決算では、最終赤字がおよそ550億円に上りました。

シンガポール航空は来月いっぱい、旅客便の96%を減便する対応を続けることにしていて、運航する便数が元に戻るまで少なくとも半年から1年はかかるという見通しを示しました。

アジアではこのほか、以前から経営不振が続いているタイ国際航空が感染拡大の影響でさらに経営が悪化し、政府から経営再建計画の取りまとめを条件に、日本円でおよそ1800億円の公的支援を受ける見通しになっています。

また、香港に拠点を置くキャセイパシフィック航空もことし上半期の業績が大幅な赤字となる見通しで、アジアの航空業界にも深刻な影響が広がっています。