学校の休校長期化でオンライン学習の要望相次ぐ 東京

学校の休校長期化でオンライン学習の要望相次ぐ 東京
新型コロナウイルスの影響で学校の休校が続く中、東京都内ではインターネットを使ったオンライン学習を学校に導入してほしいという保護者からの要望が、各地で相次いでいます。
東京の杉並区や江戸川区、それに中央区などの保護者らは、インターネットを使ったオンライン学習の学校への導入を求める要望を行っています。

武蔵野市内の学校に子どもを通わせている保護者らは13日、市に要望しました。

保護者の1人、天野妙さんがテレビ会議システムを使って、自宅から松下玲子市長に要望を伝えました。

要望では、学力の低下やストレスが心配されるとしてオンラインでの学習や、先生や友人との交流を持てるようにしてほしいと訴えています。

さらに、先月、市内の保護者を対象に独自に行ったインターネットでのアンケート結果についても説明し、回答した1500人余りのうち、96%がオンライン学習の導入に賛成し、98%が家庭にインターネットに接続できる環境があるという現状を説明しました。

これに対し、松下市長は「想定外の状況の中でできる事を一つ一つ行っている」と述べました。

要望した天野さんは「学校が再開してもまた流行すれば子どもの学びが再び断絶されると思うのでなんとか前に進めてほしい」と話していました。

武蔵野市では、インターネットなどオンライン学習に必要な環境がない家庭に今後タブレット端末を貸し出したり、動画の配信などを行ったりして、家庭学習の支援をしていきたいとしています。

自宅で過ごす子どもや親は…

学校の休校が長期化し、自宅で過ごす子どもと保護者たちは大きなストレスを感じはじめています。

要望を出した保護者のひとり、武蔵野市に住む40代の母親です。小学2年と3歳、それに0歳の子どもを育てています。

長女の学校は先月8日から休校となっています。女性は幼い子どもの面倒を見ながら長女の勉強を支えるのは大きな負担だといいます。

「なんだこれ? 何でこう、ふわーっとした。きょうのできごとを進めます。考えて終わりなの?」

学校から出された宿題は、日記の書き方を教えるもので、解答があるものではないため、親として何をどのように教えてよいのか戸惑っているといいます。

子どもも集中力が続かないこともあるといいます。

女性は家事や育児をしながら家庭で学習するのは、親にとっても子どもにとっても1時間程度が限界だと感じています。

「親側の限界は、時間を作ることと、教え方が分からないこと、子ども側の限界は、おそらく時間ではなくて、モチベーションだと思います。自分で全部やらなきゃいけないし、お友達がいて、張り合いになっていた部分もあっただろうけど、それが自分ひとりでやらなきゃいけない。お互い手探り」

休校になってから時間をもてあましていた長女のために、以前から欲しがっていたゲーム機を購入しました。

ゲームをする時間のルールは当初、1日1時間でしたが、今は2時間となってしまいました。

「学校に通っていた時はきょう、こんなことがあったとかお友達とケンカしたとか、こういうことができなくてちょっと悲しかったとか、そういう話しをいつも聞いていたのが、全く無くなって、きょうあった新しい事って、ゲームで、『こういう展開があった』という、その程度なので、全然、違います。覇気がなくなるまでではないですが、生き生きはしていないです。紙より動画、動画より双方向だと思っているのでオンラインでの交流を実現してほしいです。お友達と一緒にできると喜んで勉強すると思います」