東京都 休業要請の緩和 目安の指標や数値は? 新型コロナ

東京都 休業要請の緩和 目安の指標や数値は? 新型コロナ
東京都の小池知事は「感染症防止と経済社会活動の両立を図り、段階的に自粛要請について判断していく」と述べ、緊急事態宣言の解除後に、感染の状況や医療体制など目安とする具体的な指標を用いて段階的に緩和していく考えを示しました。一方で、感染の状況が目安の指標を超える場合には、再度、感染拡大への警戒を呼びかける方針を明らかにしました。
東京都の小池知事は、午後2時すぎから開かれた記者会見で、休業要請の緩和や感染拡大の防止に向けた道筋を示すロードマップの骨格を明らかにしました。

この中で、小池知事は「陽性患者の新規発生を抑え込んだうえで、感染症防止と経済社会活動の両立を図り、段階的に自粛要請について判断していく」と述べました。

そのうえで、緊急事態宣言の解除後に、1週間の平均でいずれも1日当たり、新たな感染の確認が20人未満、感染経路が分からない人の割合が50%未満、さらに、感染した人の週単位の増加比率が前の週より低い場合、専門家の意見も聞くなどして段階的に緩和していくと説明しました。

その際は、入院中や重症の患者数、PCR検査で感染が確認された人の割合を示す「陽性率」なども総合的に判断するということです。

一方で、小池知事は、感染の状況が目安の指標を超える場合には「東京アラート」を発動して、都民に対して再度、再び感染拡大への警戒を呼びかける方針を明らかにしました。

このほか、今後、区市町村や経済団体の意見も聞きながら検討を進め、来週中に詳細なロードマップを公表する考えを示しました。

緩和の目安の指標・数値は

東京都は休業要請の緩和や、予想される「第二波」に備えて再び休業を要請する際の判断の目安とする7つの指標と具体的な数値を公表しました。

それによりますと都内の「感染状況」を示す1新たな感染者数、2感染経路がわからない人の割合、3感染者の週単位の増加比率という3つの指標で、それぞれ目安となる数値を設けて判断します。

具体的には1週間の平均でいずれも1日当たり新たな感染の確認が20人未満、感染経路がわからない人の割合が50%未満、そして感染した人の週単位の増加比率が前の週より低くなるという3つの指標をすべて満たすかを確認します。

このほか4重症患者の数、5入院患者の数といった「医療提供体制」、6検査で感染が確認された人の割合を示す「陽性率」、7都の受診相談窓口の相談件数といった「モニタリング」を示す4つの指標も考慮します。

そして専門家の意見も踏まえて要請を緩和するとしていて、緩和する場合は2週間単位で状況を評価し、段階的に実施します。

一方、休業の要請を緩和した後に「感染状況」を示す3つの指標のうち1つでも目安の数値を超えた場合は、都独自の「東京アラート」を出して、都民に警戒を呼びかけます。

さらに「東京アラート」の効果があらわれなかった場合に、再び休業を要請する際の目安の数値も設けました。具体的には1週間の平均でいずれも1日当たり、新たな感染の確認が50人以上、感染経路がわからない人の割合が50%以上になり、感染した人の週単位の増加比率が2倍以上になることです。

都はこれらの数値のうち複数で目安を超えると、再び休業を要請するとしています。

休業要請緩和は段階的に

東京都は休業要請の緩和について、施設の特性やこれまでに「クラスター」が発生したかどうかをもとに段階的に実施していくことにしています。

まず、遊興施設などに休業を要請したり、飲食店に営業時間の短縮への協力を要請したりしている現在の状況を「ステップ0」とします。

そして「感染状況」を示す3つの指標の数値がすべて目安を下回った際に専門家の意見も踏まえて緩和を実施するとしていて、「ステップ1」として博物館や美術館、図書館といった、都民の文化的、健康的な生活を維持するうえで必要性が高い施設について休業要請を緩和します。

入場制限などを設けることを前提に施設を再開するとしています。次の「ステップ2」は、これまでに「クラスター」が発生したことがなく、いわゆる「3密」になりにくい施設として劇場などを開放し、飲食店の営業時間短縮の一部を緩和するとしています。

その際には、入場制限や施設の開放時間の制限、座席の間隔をあけることを前提とします。そして最後の「ステップ3」は、「クラスター」が発生したことがある施設や感染リスクが高い施設を除き、入場制限などを前提として、すべての施設を再開するとしています。

都は「ステップ」を引き上げるには、指標の数値が緩和の目安を下回る期間がどれくらい続いているかで判断する方針で、さらに検討を進めて来週中に公表する見通しのロードマップに盛り込みたいとしています。

東京の現在の指標は

緊急事態宣言が解除されたあと、東京都が緩和の判断の目安とする3つの指標の最新状況です。

都は保健所から毎日、その日に報告を受けた感染者数を公表していますが、今回の指標は、それを検査で陽性と確認された日ごとに整理し直して分析しています。

1:新たな感染の確認については今月6日から12日までの1週間の平均で1日当たり「20人」となっています。

2:感染経路がわからない人の割合は、同じく今月6日から12日までの1週間の平均で「50.4%」です。

3:そして週単位の増加比率は、今月3日までの1週間の感染者の合計は508人だったのに対し、次の1週間の今月10日までの感染者の合計は173人だったため「0.34」となります。「1」を下回り、前の週より減ったことを示しています。

東京都はこれら3つの指標がすべて緩和の目安となる数値を下回った場合、「医療提供体制」などほかの4つの指標も考慮し、専門家の意見も踏まえて緩和について判断するとしています。都は今後、ホームページで最新の数値を公表していくとしています。