中国 工業生産4か月ぶりプラス コロナ感染拡大「抑え込んだ」

中国 工業生産4か月ぶりプラス コロナ感染拡大「抑え込んだ」
中国の先月の主要な経済統計が発表され、中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大を「基本的に抑え込んだ」として経済活動の再開を積極的に促していることなどから、工業生産は去年12月以来4か月ぶりにプラスに転じました。
中国の国家統計局は15日、先月の主要な統計を発表しました。

それによりますと、工業生産は去年の同じ月に比べて3.9%のプラスとなりました。

中国の工業生産は、新型コロナウイルスの影響でことし1月から2月にかけて、去年の同じ時期に比べてマイナス13.5%と10%を超える大幅なマイナスとなりました。

しかし、中国政府が国内での感染拡大を「基本的に抑え込んだ」として、企業に生産の再開を積極的に促した結果、先月は去年12月以来4か月ぶりにプラスに転じました。

一方、消費の動向を示す小売業の売上高はおよそ2兆8178億人民元、日本円で42兆円余りで、去年の同じ月に比べて7.5%のマイナスとなりました。

マイナス幅は前の月よりも8.3ポイント改善したものの、ことし1月以降、マイナスが続いています。

内訳を見ると、自動車の販売が前年並みとなる一方、飲食業は依然として30%を超えるマイナスとなっています。

背景には、消費者の間に感染への懸念が根強く、外食などを控える傾向が続いていることがあるとみられ、今後の景気回復に向けて、消費者のマインドをいかに改善できるかが課題となりそうです。

統計局報道官「まだ正常水準ではない」

中国国家統計局の劉愛華報道官は記者会見で「国内では感染拡大のコントロールで大きな成果をあげているが、経済面ではまだ全面的に正常な水準に回復したとは言えない」と述べて、景気の現状に厳しい見方を示しました。

そのうえで「情勢の変化に応じて速やかに政策を打ち出して対応し、経済の全面的な復旧を進めなければならない」と述べ、今後、景気の回復に向けて追加の対策が必要だという認識を示しました。