欧米メディア“ロシアはコロナ死者を過少報告”ロシアは否定

欧米メディア“ロシアはコロナ死者を過少報告”ロシアは否定
新型コロナウイルスの感染者の数が世界で2番目に多いロシアで、死者の数が少ないのは当局が過少に報告しているためだと欧米のメディアが相次いで報じ、ロシア政府は強く否定しています。
新型コロナウイルスの感染拡大が続いているロシアでは14日の時点で、感染者の数が25万人を超えて世界で2番目に多くなっていますが、死者の数は2305人で感染の規模に比べ大幅に少なくなっています。

これについてアメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズと、イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズは11日、ロシアで死者が少ないのは、当局が過少に報告しているためだと相次いで報じました。いずれも、モスクワ市が新たに公表した4月の死者数を疑惑の根拠としています。

このうちニューヨーク・タイムズは、モスクワ市で4月に死亡した市民の数が過去5年間の平均より1700人以上増えたにもかかわらず、新型コロナウイルスが死因とされる人は642人にとどまり、不自然だと指摘しています。

そのうえで専門家の分析を引用しつつ、ロシア当局が新型コロナウイルスの致死率は諸外国よりも低いと宣伝する目的で、死因をほかの合併症にかえているという見方を伝えています。

これに対して、ロシア外務省のザハロワ報道官は14日の会見で「記事は不正確で容認できない」と否定し、今後、ロシア政府の反論をそれぞれの報道機関に書面で伝え掲載するよう求める方針を明らかにしました。