製造業でも感染防止対策進む 在宅勤務難しく 新型コロナ

製造業でも感染防止対策進む 在宅勤務難しく 新型コロナ
在宅勤務が難しい製造業の生産現場でも、独自のガイドラインを設けるなどして感染防止の対策に取り組む動きが進んでいます。
トラックメーカーの三菱ふそうトラック・バスは、今月、生産に携わる従業員向けに感染予防のガイドラインを定めました。

川崎市中原区の工場では、従業員どうしが原則1.5メートルの距離を取るよう呼びかけています。重い部品を取り扱う生産工程など、従業員どうしが近づいて作業する必要がある場合には、マスクだけでなく顔全体を覆うフェイスシールドを付けることも試験的に始めています。また工場全体で作業用の手袋を半日ごとに交換しているほか、ロッカールームの消毒も徹底し、感染予防に取り組んでいます。

この工場では、新型コロナウイルスの感染拡大で部品の調達が難しくなったため、一時、トラックの生産を停止しましたが、今は生産調整をしながら稼働を続けています。

三菱ふそうトラック・バス生産本部の馬場高史生産統括部長は、「トラックの生産は自動化できない手作業が多く、感染予防が非常に重要になる。まずガイドラインを作ったが、新型コロナウイルスの対策が長期化することを見据え、従業員どうしが知恵を出し合い、より安全で働きやすい環境に改善していきたい」と話していました。

各メーカーで対策広がる

このほか、東芝は、国内の工場で来月にも週休3日制を導入し、出勤する人を減らす方針です。

また、トヨタ自動車はことし3月下旬から愛知県内の10の工場で夕方からの勤務の開始時間を30分遅らせ、従業員が交代する時間をおよそ1時間半確保して従業員どうしの接触を少なくしています。

大手機械メーカーのIHIは東京・瑞穂町にある航空機のエンジンを作る工場で、出勤者を2つのグループに分け、週ごとに交代しながら勤務する体制をとっています。

いすゞ自動車は、神奈川県の藤沢工場向けに運行する朝の出勤時間帯の通勤バスの便数をこれまでの3倍に増やし、バスが混雑しないようにしています。

生産現場で働く従業員は在宅勤務が難しいことが課題で、各社とも、生産の維持と感染防止の両立に向けて工夫を凝らしています。