緊急事態宣言解除へ 各地で戸惑いや不安も

緊急事態宣言解除へ 各地で戸惑いや不安も
緊急事態宣言が解除される見通しとなったことについて、各地の飲食店などからは、戸惑いや今後への不安の声も聞かれました。

福岡では

福岡県春日市にある炉端焼きの居酒屋では、緊急事態宣言が出てから新たにランチ営業とテイクアウトを始めましたが、売り上げは前の年に比べ、半分以下に落ち込みました。緊急事態宣言の解除を受け、夜の営業を通常どおり再開しても客足が戻ることは見込めないため、今月いっぱいはテイクアウトや昼の営業を続けようと考えています。また、感染予防のため訪れた客に対しスペースをあけて座ってもらうことにしていて、その分、売り上げの減少が想定されることに頭を悩ませています。

店のオーナーの松田知美さんは、「もう営業していいと言われてどうしようというのが正直なところです。新しい生活様式という話もありましたが、うちは狭いところでわいわい飲む居酒屋なので、3密を避けながらの営業となると売り上げの減少は間違いないです。休業要請がなくなれば支援もなくなるかもしれず、逆に不安です」と話していました。

福島では

緊急事態宣言が解除されることを踏まえ、福島市の老舗旅館では、感染予防のために宿泊客を絞るなどの対策を取ったうえで、14日から営業を再開しました。福島市の高湯温泉でおよそ140年続く温泉旅館、「吾妻屋」は緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことを受けて先月19日から休業していました。

しかし緊急事態宣言が解除されることを踏まえて営業を再開することを決め、午前中、従業員が念入りにドアのノブなどの消毒を行い、客を迎える準備をしていました。当面は、感染予防のため、通常は1日10組まで迎え入れている宿泊客を7組までとするほか、食事をとる部屋ではグループごとに席の間隔を2メートル以上空けるなどの対策を取るということです。

吾妻屋の五代目社長で高湯温泉観光協会の会長も務める遠藤淳一さんは、「先行きがどうなるか分からず再開するかどうかも悩みました。心配なこともたくさんありますが、緊急事態宣言の解除で一つのスタートが切れました。山あいの中の露天風呂に入ってもらってこれまでのストレスを少しでも解消してもらいたいです」と話していました。

一方、営業時間を昼のみに短縮しているJR福島駅前のイタリア料理店は、緊急事態宣言が解除されてもすぐには夜の営業を再開しない方針で、支援の継続を訴えています。

福島駅前のイタリア料理店「益蔵」は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて先月16日から休業していましたが、今月11日からは、座席の間隔を空けるなどの対策をとったうえで、ランチの時間だけ、営業しています。

大澤益三社長は「1か月ほど休業していて収入がゼロになっていたので、これ以上休業を続けていると店をやっていけなかった」と再開の理由を説明します。福島県では緊急事態宣言が解除される見通しですが、今月中は営業時間の短縮を続けるということです。

大澤社長は「感染が完全に終息しているわけではないので心配もしているし、解除になったとしても以前のような人通りは戻らないと思っている」と話していました。

夜の営業については、今後の感染の状況を確認しながら完全予約制にして来店客を絞ったうえで、来月以降の再開を検討しているということです。

大澤社長は「飲食業界は3か月以上苦しんでいる。国からの支援もあるが、全く足りないのが現実だ。今後、店を続けていくためにも緊急事態宣言が解除されても支援を継続してもらいたい」と訴えていました。