夜間の“隠れ営業”飲食店が増加「これ以上の自粛難しい」東京

夜間の“隠れ営業”飲食店が増加「これ以上の自粛難しい」東京
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東京では緊急事態宣言が継続され、都は飲食店に対して引き続き夜8時までの営業を要請していますが、8時以降も開ける店が増えています。入り口の明かりを消すなど目立たないように営業している店が多く、店側は「家賃などを払うために手元に現金が必要で、これ以上の自粛は難しい」としています。
東京都内では先月、緊急事態宣言が出された後、当初の期限だった今月6日までは、ほとんどの飲食店が自主的に休業するか、都の要請に従って営業時間を午後8時までに短縮していました。

しかし、大型連休明け以降、深夜まで店を開ける店が増えていて、13日も繁華街や駅近くの居酒屋やバーなどには夜8時以降に客が入っていました。

このうち都心にあるバーは、都の要請に従って先月から休業していましたが、今月7日から店を開け、以前と同じように朝方まで営業しています。
バーなので昼間の営業やテイクアウトは難しく、客離れを防ぐためにも、これ以上は休業できないと判断したということです。

また、肉料理などを出す別のレストランでは、外出自粛の影響で先月から客の入りが半分ほどに減り、夜8時以降も営業を継続することで、かろうじて店を維持しているということです。

休業や営業時間の短縮の要請に応じた場合、都から50万円または100万円が協力金として支払われますが、ほとんどの店では家賃や人件費などには足りないとしています。

ただ、店に苦情が寄せられることもあるということで、多くの店は8時を過ぎると入り口の明かりを消したり、シャッターを閉めたりして営業していました。

バーのオーナー「これ以上は休業できない」

東京都心にあるバーは緊急事態宣言のあと自主的に休業していましたが、今月7日に営業を再開し、朝方まで営業しています。

店では大人数での入店を断るほか、間隔を空けて座ってもらうなど可能な範囲で感染対策をとるようにしているということです。

バーの場合は昼間の営業やテイクアウトの導入が難しく、客離れを防ぐためにもこれ以上は休業できないと判断したということです。

店のオーナーは「自粛要請を守ろうとすれば店をやめるしかない。資金繰りだけの問題ではなく、客が離れていってしまうので2か月間休むというのは現実的は難しい。1か月間は精いっぱい自粛に協力したので、大型連休明けから店を開けることにした」と話していました。

また、自粛要請については「どうなったら解除されるかがはっきりしないまま延長が決められたと感じる。きちんと見通しを示してほしい」と話していました。

レストラン「生活のため悩みながら営業」

東京都内の肉料理を出すレストランは外出自粛が広がった影響で先月以降、客の入りが通常の半分ほどに減り、3日間連続で売り上げがゼロの日もあったということです。

このため、テイクアウトを始めたほか、客どうしの距離を取って消毒を徹底するなど感染防止対策を徹底したうえで、午後8時以降も営業を続けることにしました。

レストランのオーナーは「都の協力金だけでは正直、足りない。従業員を抱えて店を維持していくには、自粛を続けることは難しい」と話していました。

一方で「感染を広めてはならないという思いやウイルスに対する恐怖もある中、生活していくために悩みながら営業を続けている」とも話していました。

客「なじみの店を応援したい」

東京都内の居酒屋で午後10時ごろに飲んでいた男性は「飲食店はどこも大変な状況なので、なじみのこの店で飲んで応援したいという気持ちがある。衛生面の対策もしっかりしていると感じているので飲みに来た」と話していました。