タイ 約2か月ぶりに新規感染者がゼロに 新型コロナウイルス

タイ 約2か月ぶりに新規感染者がゼロに 新型コロナウイルス
東南アジアのタイでは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、店舗の営業禁止措置などがとられた結果、13日およそ2か月ぶりに新たに発表される感染者の数がゼロになりました。
タイでは、3月中旬以降新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、タイ政府は非常事態を宣言し、店舗の営業禁止や夜間の外出禁止などの措置をとってきました。

その結果、一時連日100人を超えていた新たに発表される感染者の数が、先月中旬から減り始め、13日、3月9日以来およそ2か月ぶりにゼロになりました。

また、一時1500人近かった入院者の数も、117人と大幅に減りました。

こうした状況を受けてタイ政府は、レストランでの飲食や理容室などの営業を認めるなど一部の制限をすでに緩和しており、近く追加の緩和策を発表するものとみられています。

感染拡大を抑えられている背景は

タイが、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えられている背景には、地域社会に根付いた保健ボランティアの活動があると指摘されています。

タイの保健ボランティアは、医療体制が十分に整っていない農村部を中心に保健行政を支援するため、1978年にはじまった制度で、現在、全国でおよそ100万人が活動しています。

ボランティアひとりが、10世帯から15世帯を担当して住民の健康状態を日常的に把握する役割を担っており、新型コロナウイルス対策では、発熱が続く住民の情報を病院に報告したり、感染者が確認された場合は、濃厚接触者の調査に協力したりしているということです。

感染症対策に詳しいタイのタマサート大学のチャチャイ・ミンマライラック助教授は、「タイでは、保健ボランティアが医師と同じように尊敬されており、このネットワークがタイの新型コロナウイルス対策をより効果的にしている」と話しています。