米政権 感染対策の専門家 拙速な経済再開に警鐘

米政権 感染対策の専門家 拙速な経済再開に警鐘
アメリカのトランプ政権で新型コロナウイルスの感染対策に携わる専門家らが議会で証言し、感染拡大の第2波が来る可能性があり、経済活動の再開で早まった判断をすれば深刻な結果をもたらすと警鐘を鳴らしました。トランプ大統領は、経済活動の再開を急ぎたい考えで、専門家との意見の隔たりが表面化しています。
アメリカ議会上院では12日、公聴会が行われ、NIAID=アメリカ国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長やCDC=疾病対策センターのレッドフィールド所長ら、トランプ政権の感染対策チームの主要メンバーがテレビ会議で参加して証言しました。

この中でファウチ所長は感染拡大の第2波について、「可能性は間違いなくある」としたうえで、「適切な予防と感染者の捕捉を行えば、現在の感染状況よりもずっと低い水準に抑えることができる」と述べました。

一方でファウチ氏は、「経済活動への規制を緩和すれば、間違いなく感染者は増える。判断を早まれば、その結果はとても深刻になる」と述べ、拙速な活動再開の判断を行うことに警鐘を鳴らしました。

新型コロナウイルス対策による経済への打撃が深刻さを増す中、トランプ大統領は経済活動の再開を早期に実現させたい考えで、慎重な立場をとる対策チームの専門家との意見の隔たりが表面化しています。